柑橘系果実や白い花の香り。さらにレモングラスや青々としたハーブ、甘いスパイスも。ほっくりとした柔らかな厚みを感じながらも、さらりと軽快で生き生きとした口当たりです。みずみずしい果実味が広がり、キレのある爽やかな酸が心地よい緊張感を与えています。さらにミネラル感が輪郭を鮮明にし、クリーンで爽快な余韻へと続きます。成熟感のある果実味とフレッシュさを兼ね備えた、軽快で飲み心地のよい辛口の白ワイン。
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850年の修道院文化とカンプタールの大地を映す、
歴史的名門ワイナリー
~シュロス・ゴベルスブルク/オーストリア・ニーダーエスタライヒ~

シトー派修道僧たちのワイン造り
シュロス・ゴベルスブルクの歴史は、シトー派のツヴェットル修道院がハイリゲンシュタインとガイスベルクにブドウ畑を得た1171年に遡ります。1740年にはゴベルスブルク城と畑が修道院の所有となり、1786年以降は城がワイン造りの中心となりました。戦争と占領を経た20世紀にはベルンハルト・バウマン司祭が再興を担い、歴史あるワイン文化を次代へつなぎました。1996年からはミヒャエル&エヴァ・モースブルッカー夫妻が運営を継承。修道僧たちが大切にした「簡素さと厳格さ」の精神を土台に、古い手法や記録を丹念に読み解きながら、現代の感性でワイン造りを再構築しています。850年以上の歴史を保存するだけではなく、今飲んでこそ価値のあるワインとして表現し続けることが、このワイナリーの大きな魅力です。

岩山と黄土が描き分ける、カンプタールの個性
城を囲むカンプタールには、性格の異なる歴史的な銘醸畑が広がります。リースリングを育むハイリゲンシュタインは砂岩やシルトなどから成る独特の地質を持ち、ガイスベルクには片麻岩や雲母を含む岩質土壌が広がります。一方、グリューナー・ヴェルトリーナーの銘醸畑ラムは日照に恵まれた南向き斜面です。グループでは4~8mにも及ぶ深いレス・黄土が豊かな成熟を支えます。さらに城の南側には古いドナウ川が運んだ砂利や小石を含む土壌も見られ、限られた範囲に多彩な地質が凝縮しています。岩石、斜面、風、日照、微気候の違いを畑ごとの個性として捉え、品種を適地に導くことが基本です。こうした土地の違いを均一化することなく、1本ごとにカンプタールの風景と畑の個性を映し出すワインを生み出しています。

樽を動かしてワインを動かさない、独自のセラー哲学
ゴベルスブルクを象徴するのが「ダイナミック・セラー・コンセプト」です。ワインをポンプで移送するのではなく、車輪付きの樽そのものをセラー内で移動させ、機械的な負荷をできる限り抑えます。熟成にはランゲンロイス北方のマンハーツベルク産オークも使用し、畑と同じ地域の気候で育った木材までワインの個性の一部と考えます。さらに、19世紀の醸造法を研究して生まれた「トラディション」シリーズでは、過去の知恵を単に再現するのではなく、現代のワインとして再構築しています。新しい機械を増やすことより、何を減らせるかを考えるのがこの蔵の発想です。モースブルッカー氏が見据える未来は、技術で味を整えることではなく、介入を減らすことで畑とヴィンテージの違いをより鮮明にし、唯一無二の個性を次世代へ手渡すことにあります。