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ボルドーのメドック地区に位置するシャトー・ラグランジュ。
「ラ・グランジュ」とは「自立した小さな集落」の意味で、17世紀のワイン地図に既にその名が登場していました。また、19世紀にはルイ・フィリップ朝で内務大臣などを歴任したデュシャテル伯爵が所有者となり、当時のボルドーでも指折りの規模の醸造設備が整えられていたと記録が残っています。当時には珍しい、畑の土の中に素焼きの土管を埋め込み水はけを良くする革新的な設備が例に挙げられます。
他にも、湿地という厳しい条件の中で様々な努力を重ねた結果、1855年、パリ万博の時に制定されたボルドー・メドックの公式な格付けで「グランクリュ第3級」として格付けされました。
残念ながら1929年の世界大恐慌、続く戦争でシャトーは経済的な没落に追い込まれ、畑は切り売りされ、シャトーは荒廃し、当然ワインの品質も低下していきました。そんな中1983年、日本のサントリーが経営に参画。欧米以外の企業がシャトー経営にあたったのは、この時が初めてでした。
こうして、失われたシャトーの名声を取り戻すための「復活のステージ」がはじまりました。荒れ果てた畑に改植を行い、醸造設備も一新。シャトーのシンボルといえる城館や庭園の修復まで徹底的な大改革に取り組みました。
具体的には、かつてボルドー大学で醸造研究所長を務めていた醸造学者で、シャトー マルゴーの再生も成し遂げていたエミール ペイノー博士に協力を要請。ペイノー門下生であるマルセル・デュカス氏が社長に、同じくペイノー氏の元で学んだサントリーの鈴田 健二氏が副会長に就任し、畑から醸造所、シャトーまで徹底的な改革を行いました。こうしてラグランジュは復活を遂げ、世界に認められるワインへと成長したのです。
現在は、マティウ・ボルド社長と椎名 敬一副会長の下、ラグランジュの持つテロワールの限界に挑戦する「創造」のステージに進み、さらなるラグランジュの品質向上に取り組んでいます。今後の動向に目が離せない注目のシャトーです。