深みのあるルビー色の外観。ラズベリーやブラックチェリー、赤系ベリーの香り。さらにバラの花びら、紅茶、焼き菓子を思わせるスパイス、クローヴ、黒胡椒のニュアンスも。しなやかで滑らかな質感が広がり、熟度の高い赤系から黒系果実の果実味が豊かに感じられます。生き生きとしたフレッシュ感を伴う酸、甘やかさを感じさせるタンニンがあり長い余韻が残ります。レースのように繊細で優雅なタイプとは異なる、果実の魅力と密度感、骨格の強さを備えています。2022年は通常のシャンボールとは違った、力強くて完成度の高いスタイルに仕上がっています。
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ブルゴーニュに新しい価値観をもたらした、異端から王道への歩み。
ドメーヌ・デュジャックは1968年、ジャック・セイスによってモレ・サン・ドニに設立されました。ブルゴーニュ出身ではない彼は、美食家で上質なワインを愛した父の影響を受け、若い頃から名だたる造り手と交流を重ねてきました。25歳で家業を離れ、1966年と1967年の収穫期にヴォルネイのドメーヌ・ド・ラ・プース・ドールでジェラール・ポテルのもと醸造を学びます。1968年に4.5haのドメーヌ・グライエを取得し、自身の名をもじったドメーヌ・デュジャックと改名しました。完全無除梗による全房発酵を軸に、繊細で香り高いスタイルを確立し、短期間でモレ・サン・ドニを代表する存在へと成長します。ジャックの造りは、力ではなく表現力を重視する思想に貫かれていました。

ワインの本質は、すべて畑で決まるというデュジャックの哲学
デュジャックの哲学の核にあるのは、ワインの本質は畑で決まるという考え方です。1968年に5haから始まった畑は、1977年に11ha、2005年には15.5haへと拡大しました。現在はモレ・サン・ドニを中心に、シャンベルタン、ボンヌ・マール、ロマネ・サン・ヴィヴァンなど7つの特級畑を含む優れた区画を擁します。1987年からリュット・レゾネを採用し、2001年以降はビオロジックへ移行しました。現在は多くの畑でビオディナミ農法を実践しています。除草剤や化学肥料は使用せず、耕起と有機堆肥によって土壌の生命力を守ります。微生物を含む生態系全体をテロワールと捉え、土地の個性をそのままワインに映し出す姿勢が、透明感と奥行きを備えた味わいを生み出しています。

世代交代がもたらす進化と、引き継がれる精神。
1998年に長男ジェレミーが参画し、2001年には妻ダイアナ、2003年には弟アレックが加わりました。現在はジェレミーが醸造を、アレックが販売を担い、家族一体でドメーヌを支えています。ジャック時代は完全無除梗が特徴でしたが、現在はヴィンテージに応じて除梗率を調整し、果実の充実感と色調を高めています。2000年にはネゴシアン部門デュジャック・フィス・エ・ペールを設立し、畑管理から収穫まで自社スタッフが行う体制を構築しました。2014年にはピュリニー・モンラッシェのプルミエ・クリュを取得し、コート・ド・ボーヌにも進出しています。伝統を尊重しながらも変化を恐れず、テロワールの未来を見据える姿勢こそが、デュジャックを時代を超える存在にしています。