パリやニューヨークのビストロで、近年必ずと言っていいほどオンリストされているオレンジワイン。日本でも多くのレストランで見かけるようになりました。もともとは、果皮を果汁と一緒に発酵し醸すことで、独特の風味や旨みを生み出す白ワインの醸造法の一種でしたが、現在では「オレンジワイン」というひとつのジャンルとして確立しつつあります。

通常の白ワインにはないタンニンや複雑さがありつつ、赤ワインのように強すぎないため、汎用性が高いところが魅力のひとつ。お料理も魚介系やライトな前菜はもちろん、メインのお肉料理まで幅広く対応できたり、ちょっとペアリングが難しそうなスパイスの効いたエスニック料理やメキシカンなどとも相性が良いものが多いです。まさに白ワインと赤ワインのいいとこどり。感度の高いビストロやレストランで、近年急速に広まっているのも納得ができます。

今回はそんなオレンジワインの中でも比較的、個性が強すぎない飲みやすいタイプをセレクトしました。オレンジワインの良さを残しつつも、飲み慣れていない方でもお楽しみいただける2本です。ぜひお試しください。

※欧州の資材不足の影響でボトルやラベルの色が変更となる場合がございます。ご了承ください。

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スイスイ飲めてしまうフレッシュな心地よさと、果皮を漬け込むことによって生まれる、タンニンと複雑味のバランスが非常によいオレンジワイン。タンニンの渋みは強すぎずほろ苦い程度で、その抽出のバランスが絶妙です。無駄な苦みはなく必要な旨みはしっかりとあるので、リラックスしたい時や気楽に楽しみたいときに丁度良い飲み口。リンゴやアプリコットのフルーティーさとヨーグルトのような乳酸を思わせるまろやさが合わさって、優しい風味を生み出しています。仄かなナッツや落花生の殻、ジンジャーやペッパーのスパイスがワインに複雑味を与えて、軽やかながらも奥行きのある味わいに。穏やかでまるみのある酸がよりフレンドリーな表情となり、ついつい何杯も飲んでしまうオレンジワインです。

アルビージョ・レアルとモラビア・アグリアというスペインの古代品種から造られたワイン。アルビージョ・レアルは果皮と共に、モラビア・アグリアは果皮を取り除いて2ヶ月間ステンレスタンク内発酵させ、アンフォラ（素焼きの大ガメ）で6ヶ月間熟成させたオレンジワインです。淡いオレンジ色の外観。柑橘や桃、ドライフラワーやハーブなど香りが次から次へと表れます。フレッシュな酸と熟した果実味、溶け込んだタンニンが生む長い余韻。少し粘性のある蜜のような質感が至福のひとときをもたらしてくれます。