完売御礼
9,680円(税込)
チリワインが迎える3つのニューフェーズ
「センス・オブ・プレイス(土地の個性を反映したワイン)」。この言葉はチリワインの今を現すもっとも相応しい言葉です。
これまで、チリというと「フルーティなヴァラエタルワイン(品種ワイン)」といったイメージに偏りすぎていたようです。お手頃で美味しいワインが多く、日本の食卓にワインを根付かせてくれたという計り知れない功績を持つ一方で、ワインに精通すればするほど、「3000円以上のワインを飲むならチリじゃなくてフランスのワインを飲みたい」「濃すぎてしんどい」など、チリワインから離れるワイン愛好家もいたかもしれません。
しかし、チリワインは今、目覚ましいスピードで、「ニューフェーズ」に突入しているのです。キーはテロワールの表現、革新、再発見。その変化は目を見張るものがあり、ワイン好きなら確かめたくなるものばかり。
今回のセットではアカデミー・デュ・ヴァンの紫貴講師が最新のチリの「3つのニューフェーズ」にスポットをあて、それぞれのフェーズにおけるおすすめのワインをセレクト。テイスティングコメントと共にワインの解説をしたテイスティングシート付のセットとなっています。
ではそれぞれのフェーズとともにワインをご紹介していきましょう。
フェーズ1 コスタ・エリア ~海岸地域のクール・クライメット~
※朝霧に包まれる畑
コスタ・エリアとは縦にほど長いチリの国土を南北ではなく東西で分けた時に海岸に近くなる西側のエリアのことを指します。チリの西側の海には南極から流れてくる冷たいフンボルト海流があり、その海から吹く「カマンチャカ」と呼ばれる風が、海に近い「コスタエリア」に非常に冷涼な気候をもたらします。また、この海風が午前中のコスタエリアに霧をもたらすことでより冷涼さが助長されることとなります。この地域ではこの冷涼な気候にあったピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどが多く栽培されるようになり、クール&ビューティを感じさせるエレガントなワインが生まれるエリアとして注目されています。
・紫貴講師おススメ!フェーズ1コスタ・エリアのワイン
※こちらのワインは、ボトルデザイン変更のため、お送りするワインとボトルの形状が異なります。
フェーズ2 エクストリーム・ウェザー ~極限の気候~
※世界一美しいといわれる星空
※1万年前の氷河
エクストリーム・ウェザーとはフェーズ1のコスタ・エリアのクール・クールクライメットをさらに凌駕するような寒冷地域など、ワインを生産するうえで限界に近いといわれるような気候の地域を指します。寒冷地域だけではなく降水量であったり、高い標高であったりと様々なシチュエーションがあるのですが、今回ご紹介する産地はチリ最北端のヴァレイ「エルキ」。アンデス山脈中腹部、標高 2,200M にある“天空のテロワールと言われる産地のワインとなります。このような極限のテロワールを開拓し、その個性を重視したワイン造りが新たなフェーズのチリワインとして新たな潮流の兆しを見せています。
・紫貴講師おススメ!フェーズ2 エクストリーム・ウェザーのワイン
フェーズ3 忘れ去られた品種 ~パイス、カリニャン~
16世紀にヨーロッパからチリに持ち込まれたパイス種、19世紀にはチリで栽培されるワインのほとんどがこの品種でした。その後大地震の影響などでもともとはパイス種の補助品種としてヨーロッパから入ってきたカリニャン種への植え替えがすすみますが、そのカリニャン種も1960年代の国の農地改革でその数を減らします。そしてその後のカベルネ・ソーヴィニヨンなどのいわゆる国際品種、ヴァラエタル品種の躍進などでさらに植え替えがなされることとなり、パイスとカリニャンの姿は表舞台から姿を消すこととなります。そんな忘れ去られた品種ともいえるパイスとカリニャンですが、近年当時に植えられた100年を超えるような古木が見直されるようになり、新たな潮流の一つとして注目をあつめることとなりました。
・紫貴講師おススメ!フェーズ3 忘れ去られた品種のワイン