林麻由美
J.S.A.認定シニアソムリエ、WSET Level 3、SAKE DIPLOMA、日本酒利酒師、コマンドリー・ド・ボルドー東京理事、Shinwa Wine Auction顧問、サクラアワード常任審査員、シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ、クージヌリー・ド・ブルゴーニュ、ラ・シェーヌ・ド・ロティスール協会・上級ワイン教育者。
いよいよ本格的な夏到来!
暑い夏をスカッと爽やかに楽しめるおススメの泡を、マリアージュとともにご紹介します。
まず1本目はこちら!
① カーボニスト ゴメス ヴィンヤード アルバリーニョ エクストラ ブリュット
お鮨×ワインのコーディネイトに悩んでいる方全てにオススメしたい、カリフォルニアのスパークリングワイン。
カーボニストは「ボトルの中に泡を吹き込む人」という造語で、アメリカを代表する泡の造り手Schramsbergなどで修業を積んだ、DanとJacquelineのPerson夫妻が手掛けるワイナリーです。
今までにない新しいスタイルのスパークリングワインを造るという哲学は、遊び心満載のラベルと醸造法にしっかりと現れています。
Gomes Vineyardは1800年代にポルトガルから移民した一家によって開かれた、肥沃な土壌の畑。
果実は全房でプレスされ、果汁は2日間寝かされた後、野生酵母で3週間かけて発酵を行います。MLFは行われず、澱はボトリングまでワインと一緒に静置。SO2は2mg/lと極少なところにも生産家の拘りが感じられます。
切れ味の良さ、アルバリーニョの塩味と爽やかさが、新鮮な魚介類の魅力を余すところなく引き立てます。蛸や白身魚のカルパッチョとの相性も抜群。アートのようにオレンジ味を帯びた赤が美しい蛸のラベルは、ご一緒した方に強烈にインパクトを与えることでしょう。
そして2本目がこちらのシャンパーニュ!
② シャンパーニュ アンリ ルルー オリジン ブリュット
日本をこよなく愛するオーナーが、全世界に先駆けて日本で限定発売したシャンパーニュ。
ハレの日に不可欠なシャンパーニュですが、いざ選ぼうとするとプレステージ・シャンパーニュは敷居が高すぎ、著名メゾンのものだと驚きに欠け、珍しいものは知名度が低く価値が伝わりにくいと、悩むことが多いのではないでしょうか。
そんなときに私がお勧めしているのが、ワインメーカーとデザイナーがタッグを組んだブランド「インフィニット8」。ヴーヴ・クリコなどのパッケージを手掛けていたフランク・ルルー氏が社長でデザインとマーケティングを手掛けており、また共同社長で醸造家のニコラ・ル・テイクスラン氏は18世紀からシャンパーニュ造りに関わってきた家系の出身です。
そのフランク氏が、父親へのオマージュとして、父の名「アンリ」をつけ新たにリリースしたブランドが、「アンリ・ルルー・オリジン・ブリュット」なのです。
「インフィニット8」と同じく、適温に冷えるとボトルのマークが赤く変化するというサプライズもあり、大切な方とのひとときを素敵に盛り上げます。
品種はピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール45%、シャルドネ5%、リザーヴ・ワインは25%、ドサージュは7.2g/l。
ふくよかで優しい味わいは食前酒にピッタリですし、夏らしい桃のパスタ、イチゴと帆立のガスパチョ、フルーツを使った白身魚のカルパッチョなどに良く合います。
アペリティフやランチ、ディナーの様々なシーンで、ゲストが目を輝かせ愛されるワイン選びをしたい時に、是非取り入れてみて下さいね。