ピノ・グリ~灰色のブドウに起きたシンデレラ・ストーリー

ブルゴーニュやシャンパーニュでも活躍した毛並みの良い品種、ピノ・グリ。フランスのアルザスのワイン・スタイルには定評があります。それでも、元をたどれば、ピノ・ノワールの変異種。それが、今や、イタリアや米国では栽培面積第2位の白ブドウ品種にまで成長しています。グリ(灰色)系ブドウ品種では、同類のグルナッシュ・グリやピクプール・グリの知名度がほとんど無い中で、驚くほどの立身出世。一体、どうして、これほど人気が出たのでしょうか?

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【目次】
1. ピノ・グリってどんなブドウなの?
2. ピノ・グリとピノ・グリージョって、何が違うの?
3. 毛並みの良いブドウと薄幸の歴史
4. シンデレラ物語の始まり
5. ピノ・グリの主要産地
6. まとめ


1. ピノ・グリってどんなブドウなの?

ピノ・グリは、ピノ・ノワール、ピノ・ブランと並んで、ピノ・ファミリーの一員。残っている記録は、フランスとドイツのどちらでも、18世紀初頭に遡ります。

果皮の色は、房によって違ったり、一つの房の中でも違いがみつかったりと、個体差があります。その名の通り灰色っぽい色の他、ピンク色掛かった紫や、ピノ・ノワールに近い、濃い色合いのものと様々です。

果皮の細胞層の遺伝子構造が突然変異。内側の細胞組織とは性質の異なる個体、キメラの一種であるといわれます。

冷涼な気候から温和な気候で栽培され、芽吹きは比較的早く、早熟。収穫の窓は狭い方で、酸が高く未成熟なものから、過熟で糖度が上がり、酸が落ちてきたものという具合に、違いが出ます。本来は中庸から低めの酸ですが、収穫の時期によってだいぶ、様相が変わってくるのです。

樹勢は比較的、強いものの、収量は然程でもありません。灰色かび病やベト病に掛かりやすく、また、白化しやすい特性があります。白化は石灰岩が多い土壌で、しばしば見られますが、葉が緑色を失い、糖度や収量の低下に繋がります。

仕立ては垣根が中心でアルザスではギュイヨの長梢剪定が用いられます。イタリアでも垣根が中心となっていますが、棚仕立ても行われます。オーストラリアなどの新世界で、高収量が見込まれる産地では、大型仕立てのジェニーヴァ・ ダブル・カーテンも使われます。

クローンでは、フランスで認証されているENTAV-INRA52や457はバランスが取れたワインに。最近、認証された1344は香り高いことで知られています。イタリアのピノ・グリージョのクローンR6は、酸に恵まれたフルーティーなワイン、VCR5はエレガントで香りが良いワイン造りに向くとされています。ニュージーランドでは、52、457と共に、イタリアのピノ・グリージョM2が使われて、酸と味わいのバランスが良いとされています。

2. ピノ・グリとピノ・グリージョって、何が違うの?

ピノ・グリもピノ・グリージョも同じブドウ品種です。端的に言えば、収穫と醸造という人間が手を加える部分に、違いがあると言ってしまっても良いでしょう。それぞれを代表する、スタイルの異なるワインをお飲みになった方は、別々の品種なのだろうと思われた方も少なくないのではと思います。

ピノ・グリは、遅い収穫でブドウの熟度が高く、口当たりが豊かで厚みがあり、複雑性を備えたスタイルの白ワインが主流。フランスのアルザスが、その中心です。一方、イタリアのピノ・グリージョのスタイルは、早摘みで軽やかなシンプルな白ワイン。緑系の果実や花の香を感じ、爽やかな酸が中心のワインになります。

2020年の収穫を例にすると、アルザスでは、10月初頭が収穫時期でした。他方、イタリアのピノ・グリージョの中でも、酸は高めですが、高収量で、軽い飲み口が主流のヴェネトでは、9月中旬には収穫が終わっていました。

ピノ・グリでは、樽発酵を活用する場合もしばしば見られますが、ピノ・グリージョは、ステンレス発酵で低温発酵が典型。こうした醸造方法の違いも、2つの異なるワインのスタイルに寄与しています。

とは言っても、こうした典型的なスタイル以外にも、様々なスタイルがあります。例えば、ピノ・グリでも収量過多でニュートラルなものや、ピノ・グリージョと称していても、大樽を発酵にも熟成にも採用して複雑性を表現する生産者もいます。

3. 毛並みの良いブドウの薄幸の歴史

ピノ・グリは、18世紀のブルゴーニュでは、超高級ワインの、ロマネ・コンティに使われていたとか、シャンパーニュの主要品種の一つであったとの逸話が残る、出自がはっきりした毛並みの良いブドウです。

ブルゴーニュでは、ピノ・ブーロと呼ばれるピノ・グリは、その昔、ピノ・ノワールのワインに、厚みを与えるために使われていた時代があります。しかし、現在は、ブルゴーニュの白ワイン用品種としては、シャルドネが主流。一部のワイン通が嗜むとしてもアリゴテ迄で、ピノ・グリを探してまで飲もうという奇特な方は滅多にいないでしょう。

シャンパーニュでも同様で、ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエが、今では、栽培面積の殆どを占めます。ピノ・グリは、ピノ・ブラン等の他の3品種と共に「忘れられたブドウ」とも呼ばれています。たった数ヘクタールしか残っていない、ピノ・グリはシャンパーニュでは、フロモントーと呼ばれます。

今でも、新植が禁止される以前のブドウ樹からなら、既得権益ということで、ピノ・グリからシャンパーニュを造ることは可能です。最近では、有機栽培にこだわり、自然派随一とも呼ばれるメゾンのドラピエが、自社畑のピノ・グリを使ったシャンパーニュ「トロ・アン・フォウ」をリリースして話題になりました。

4. シンデレラ物語の始まり

2016年のピノ・グリの、全世界での栽培面積ランキングは18位。ジョージアのルカツィテリにも後塵を拝している状況です。ところが、米国ではシャルドネに次ぐ、白ブドウ品種の栽培面積第2位の座を、コロンバールやソーヴィニョン・ブランと争う位置にいます。

この米国での人気の発端は、イタリア系アメリカ人のインポーター、トニー・テルラートの功績によるところが大きいです。

スパークリング・ワインのプロセッコの先駆的な生産者としても知られている、サンタマルゲリータが造った新しいピノ・グリージョのスタイルに目を付けて、1979年に米国に紹介したのです。

一昔前は、ピノ・グリージョは、安価なスパークリング・ワイン用の原料に使われるか、2日間ほどの長い果皮との接触を経た、ラマートというワイン・スタイルに仕上げるかといったワイン造りが主流でした。ラマートは、文字通りの意味では銅色となりますが、実際は、ピンクサーモンに近い美しい色合いのワインになります。

ところが、1960年代以降に、果皮接触を抑えて、ラマートからは一線を画したワインを造る動きが出始めたのです。こうしてできた、気軽に飲める爽やかで適度な果実味もある白ワインは、この時代、新鮮にうつりました。

時代背景として、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアの生産者マリオ・スキオペットに代表される生産者達が、温度管理が可能なステンレスタンクや空気圧式の圧搾機などの近代設備を導入。マロラクティック発酵や樽を使わずに、ブドウ本来の品種個性を打ち出したワイン造りの手法を取り入れます。こうした、白ワイン造りの技術的進歩がその底流にあったのです。

同じころに、トレンティーノからピノ・グリージョをアメリカに紹介した、インポーター、デヴィッド・トーブ。凄いのは、トレンティーノの生産協同組合11社のグループ、カンティーナ・ヴィティコルトリ・デル・トレンティーノ(Cantina Viticoltori del Trentino)を相手に、その名称の頭文字を取って、キャヴェット(CAVIT)という名前にしろと説得したと言うのです。

当時、アメリカのテレビ番組では名物司会者として、ディック・キャヴェット氏が良く知られた存在でした。それで、アメリカで販売するなら、英語的に発音がしやすく、そして親しみやすい名前にした方が良いだろうというわけです。

更には、その後、当の本人のキャヴェット氏をピノ・グリージョの宣伝に、コマーシャル出演させてしまったのです。

ピノ・グリと実際は、同じブドウ品種をスタイルの異なるワインに仕上げた生産者。そして、上手い宣伝で、このブドウ品種を一躍スターダムに押し上げたインポーター達。まさに、マーケティングの勝利。ビジネス・スクールの教科書にでも出てきそうですね!

こうして、軽やかで爽やかな、果実風味を前に出した気軽に飲めるスタイルの白ワインは大々的なヒットとなっていきます。

時におりしも、1980年代。アメリカがヴァラエタル(単一品種)ワインへ移行していく時期。そして、90年代に入るに連れて、ABC (Anything but Chardonnay)のうねりも起こります。

樽の強いフルボディのシャルドネに飽き飽きとした、「シャルドネ以外なら何でも」とスローガンを掲げた、消費者達。その対極にある爽やかなワイン、ピノ・グリージョ。嗜好が変わりゆく時代の潮流に、上手く乗ったのです。

5. ピノ・グリの主要産地

世界に広がったピノ・グリ、ピノ・グリージョですが、良心的なお値段で手に入るところが、チャーム・ポイント。逆に、お値段の張るものを探すのが難しいくらいです。アルザスの甘口、貴腐ワインのセレクション・ド・グラン・ノーブルや、遅摘みワインのヴァンダンジェ・タルディヴ。そして、ドイツの貴腐ワイン、トロッケンベーレンアウスレーゼと言ったピノ・グリの甘口スタイルが高価格レンジと限られます。

ピノ・グリージョのスタイルは、それが魅力でもあるのですが、殆どが日常価格帯。高額で取引されているワインは、ピノ・グリージョだからというより、有名生産者なのでというのが主な理由です。アルト・アディジェでは150年以上の歴史を持ち、有機農法を採用して、この産地で初めて密植のギュイヨを取り入れたアロイス・ラゲデール。フリウリの自然派、オレンジ・ワインで世界的に知られている、カリスマ的なグラブネルやラディコンのワインは希少で高額です。

さぁ、それでは主要産地を訪ねてみましょう。

アメリカ

今や、米国のワイン消費で、白ワインではシャルドネに次いで、第2位のブドウ品種になっています。全世界で見れば、ピノ・グリはソーヴィニョン・ブランの半分にも満たない栽培面積でありながら、アメリカでは栽培面積も白ブドウでは第2位。米国では、消費者からも生産者からも、とても愛されているのです。

古くは、1881年にカリフォルニアに植樹された記録が残っていますが、90年代には、100ヘクタールにも満たないマイナー品種でした。それが、1999年から2000年の世紀の変わり目にはたったの1年で4割もスーパーマーケットでの販売数が増加したとの記録も残っており、ピノ・グリージョの知名度の変化点となったようです。

そもそも、カリフォルニアは、ピノ・グリ栽培には向いていないとありがたくないお墨付きを、カリフォルニア大学デイヴィス校の著名なアメリン教授とウインクラー教授から頂いたことすらあります。ところが、2017年の全米栽培面積は、8000ヘクタールに拡大。そして、最大産地はやはりカリフォルニア。ソノマ、モンテレイ、サンタバーバラが有名です。

オレゴンでは、ピノ・グリは白ブドウで最大品種。産地の気候区分ではリージョンI の冷涼気候で、夏でも気温は30℃には届きません。

一大生産地のカリフォルニアのシャルドネに真っ向勝負するよりも、ピノ・グリを伸ばした方が賢明と、戦略的にピノ・グリを伸ばした部分もあるようです。アルザスのスタイルもピノ・グリージョのスタイルのいずれも造られています。

最初の植樹は、ウィラメット・ヴァレーで、カリフォルニア大学デイヴィス校の苗木を採用した、ジ・アイリー・ヴィンヤーズのデイヴィッド・レット。ピノ・ノワールのパイオニアとしても有名で、パパ・ピノというニックネームを持っています。その後、キング・エステートが食事とのペアリングをソムリエに紹介するなどして、オレゴンのピノ・グリの知名度を向上させました。こうして、2000年にはシャルドネの栽培面積を越えます。

ワシントン州ではヤキマ・ヴァレーが注目産地です。年間最高気温は、32℃になりますが、冬は氷点下まで気温が下がり雪も降る、大陸性気候。コロンビア盆地は暑く、メルロやカベルネ・ソーヴィニョンが栽培されます。ところが、西部のカスケード山脈麓に近づくほどに冷涼な影響を受けて、ピノ・グリほか、シャルドネやリースリングなどの白ブドウが主流です。

イタリア

ピノ・グリージョの栽培面積で、圧倒的な世界首位のイタリア。イタリア国内では、スパークリング・ワインのプロセッコで有名な品種、グレラに次いで、白ブドウ品種第2位。

イタリアでは、ピエモンテ州に19世紀初頭に紹介されたとされており、今では、すっかりメジャーな品種ですが、イタリア北東部が大半。大陸性気候で山や丘陵地が多い、この産地にあって、平地が過半を占めるヴェネト州が、イタリアでピノ・グリージョの最大栽培面積を有します。

一方、高品質なピノ・グリージョの産地は、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアと、アルト・アディジェといわれています。

フリウリでは、最大品種。アペラシオンで言えば、コッリオとコッリ・オリエンタリが有名で、スロベニアとの国境が近い、東部の丘陵地帯が最良の産地です。

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州 コッリオ

泥灰岩と砂岩のポンカと呼ばれる土壌で知られています。フリウリは平地では少し湿気もあり、地中海性気候の影響も受けますが、丘陵地は大陸性気候。この産地ではオレンジ・ワインを造る場合にブレンドに使われることもあります。ラマートのスタイルも改めて造られていて、アテムスなどの生産者が注目を集めています。

オーストリアとの歴史的な関係が深い、アルト・アディジェはドイツ語圏。南チロルとも呼ばれます。トレンティーノとは、トレンティーノ=アルト・アディジェという自治州を構成します。

氷河の影響を受けたドロミテというマグネシウムが豊富な土壌が知られています。大変に山がちな産地で、ブドウの栽培ができるのは、全体の1~2割程度。アルプス山麓にありながら、恵まれた日照と日較差のお蔭でブドウの成熟期間が長く取れるのが強みです。丘陵地で行われるブドウ栽培では、酸が保持された凝縮度の高いブドウから、アルザスに近いスタイルのワインが造られます。

フランス

アルザス

アルザスのピノ・グリは、長い間、ハンガリーの甘口ワインで有名な「トカイ」という名前を冠していました。

伝説では、ラザロ・フォン・シュウェンディ将軍が16世紀にトルコ侵攻の帰りにピノ・グリをハンガリーからアルザスに持ち込み、トカイの名前でキエンツハイムに植樹されたという話ですが、信憑性はありません。

トカイ・ワインのブドウ品種である、フルミント、ハールシュレヴェリューとは、遺伝子的に何の繋がりもありません。当時は、既にハンガリーの「トカイ」の名前は有名だったので、この名声にあやかりたいということがあったのでは?と考えられています。

ハンガリーが1984年にこの呼称を問題として取り上げて、2007年からはピノ・グリには、トカイという名称は使用されなくなります。

アルザスでは、高貴品種と呼ばれるブドウの一つ。この産地で、グラン・クリュの呼称が名乗れるワインに使える、重要な品種の一つです。そして、ヴァンダンジュ・タルディヴという遅摘みブドウを使うワインにも、貴腐菌の着いた果実を選別して造るセレクシオン・ド・グラン・ノーブルのワインにも用いることができます。

その一方、この産地では、生みの親のピノ・ノワールは高貴品種ではありません。(2021年のヴィンテージから一部のグラン・クリュでの使用は認められました。)

アルザスはヴォージュ山脈の雨陰にあって、乾燥した気候。秋には長い成熟期間をフル活用して、糖度も高い良く成熟したブドウになります。遅摘みのブドウを収穫することもできますし、甘口ワインを造ることもできます。

最大収量は、ヘクタール当たり80ヘクトリットルが、アペラシオンでは認められていますが、素晴らしいワインを造るには、40ヘクトリットル程度に抑える必要があるとされます。

フランス全土の3千ヘクタール前後の栽培面積の内、9割方はアルザスに集中しています。1980年代迄は、千ヘクタールを下回っていましたから、やはり全世界的なピノ・グリージョ人気の恩恵を受けたといえます。

ドイツ

ライン川を挟んで、アルザスの向いにあるバーデンがピノ・グリの最大産地です。グラウブルグンダーというシノニム(別名)で親しまれています。さらに、甘口のスタイルに使われる場合が多い、ルーレンダーというシノニムもあり、これは18世紀の商人のヨハン・ルーレンダーが繁殖させたということに由来します。

バーデン

バーデンは、ドイツでは最も暖かい産地。EUのワイン産地区分では最も冷涼なA区分ばかりのドイツで唯一、Bに区分されています。ライン川とシュヴァルツヴァルト、黒い森の間が主要産地。

この産地の生産者、フランツ・ケラーとドクター・ヘガーはブルゴーニュ品種に力を入れています。ピノ・グリからは、長期熟成も可能な高品質なワイン、グローセス・ゲヴェックスも造られています。グローセス・ゲヴェックスは、辛口の高品質ワインに与えられる、ドイツ高級ワイン生産者連盟、ファウ・デー・ペー(VDP)による格付け。

殆どの産地ではリースリングかピノ・ノワールにしか付与されていませんが、バーデンではドイツで唯一、ピノ・グリにこの呼称が与えられています。

オーストラリア

多くが、軽やかなピノ・グリージョのスタイルですが、高品質なピノ・グリも造られます。イーデン・ヴァレーやクレア・ヴァレー等の産地で、今や有名になったリースリングを、栽培面積で凌いでいます。

大規模生産地のリヴァリーナや、マレー・ダーリングでの栽培面積が大きいですが、良質のワインでは、冷涼なヴィクトリア州が注目で、メルボルン南のモーニントン・ペニンシュラは有名です。

1990年代初頭まではボルドー品種を栽培しようと推進した産地。しかしその後、マーガレット・リヴァーのワイン産業発展に大いに貢献した、ジョン・グラッドストーン博士が、ブルゴーニュ品種の可能性を提言。方向転換の契機となりました。

ティー・ガラントは、ピノ・グリの可能性をオーストラリに広める生産者となりました。

ニュージーランド

冷涼気候のマールボロが最大栽培面積を有し、しっかりした骨格を持つワインが造られますが、注目産地としては北島のホークスベイ

ブルゴーニュとボルドーの中間くらいの気候の温和な海洋性気候。海岸から少し内陸に入った、有名なギムレット・グラヴェルズよりも奥の丘陵地で、ピノ・グリージョよりもピノ・グリのスタイルに近い、豊かなスタイルのワインが造られます。野生酵母の活用、樽発酵や樽熟成も良く採用されます。

6. まとめ

そもそもは、ピノ・ノワールの変異種に過ぎないピノ・グリ。重宝された時期もありましたが、必ずしもメジャーな品種でもありませんでした。

アルザスとバーデンという、フランスとドイツでは保守本流でもない産地で静かに息づいていたブドウ。それが、栽培や醸造の工夫、そしてマーケティング手法、ある意味、「人」の力で、イタリア、そして、米国を中心とした新世界のワイン産地でも大成功を収めました。

この物語は、世界のブドウ品種の勢力図が、これからも変わる可能性を示唆しているのかも知れません。

温暖化が進む中で、その時々に、異なったブドウ品種に光が当たり、主流となるワインのスタイルも変わっていくかもしれませんね。そうした時に、「人」の力が新しいワイン造りに貢献していくのも楽しみです。

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