ソムリエ・ワインエキスパート勉強法vol.9 ~ 忙しい社会人でも合格! ワインエキスパート合格者3人のリアルストーリー

日本ソムリエ協会認定ソムリエ/ワインエキスパート試験に挑戦してみたい…しかし、膨大な暗記量や限られた時間の中でどのようにしたらよいのか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、異なるバックグラウンドを持ちながら、見事ワインエキスパート試験に合格された3名の方々にお話を伺いました。
仕事、家事、育児の合間をぬって学習時間を確保し、クラスメイトと切磋琢磨しながら合格を勝ち取った3名。それぞれのストーリーはこれから受験を考えている方に役立つヒントになることでしょう。

お話をうかがった合格者プロフィール

橋本貴さん

会社員。「誰かの成長に携わるのが好き」という橋本さんは、会社では新入社員のトレーナーを務めている。ワインの学習はアカデミー・デュ・ヴァンのStep-Ⅰから始まり、受験対策講座、二次試験対策受講と、「王道ルート」を踏んで知識と技術力をアップし、ワインエキスパート試験に合格。

 

繁野尚弘さん

会社員。趣味のワインバー巡りがきっかけでワインスクールの扉を開いた。アカデミー・デュ・ヴァンのワイン入門コースからStep-Ⅰ、Step-Ⅱへと、ほぼフルコースを受講。Step-Ⅱを受講しながら並行してワインエキスパート試験に挑戦し、合格を果たした。

 

金子弘平さん

弁護士。フランス滞在中にワインの奥深さに触れる。本格的なワインの学びはStep-Ⅱから。一次試験合格後はアカデミー・デュ・ヴァンのテイスティング対策講座を受講し、クラスでは級長も務めるなどコミュニティでも活発に活動。2026年度はFrench Wine ScholarやWSETに挑戦予定。

本記事は、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」が監修しています。ワインを通じて人生が豊かになるよう、ワインのコラムをお届けしています。メールマガジン登録で最新の有料記事が無料で閲覧できます。


【目次】
1. JSAソムリエ/ワインエキスパート資格を受験しようと思った理由は何でしたか?
2. 受験前に不安だったこと、ハードルに感じていたことはありますか?
3. う実際に学習を始めてみて、その不安はどのように変化しましたか?
4. 振り返って、受験前に知っておくべきだったと思うことはありますか?
5. 具体的にどのように学習時間を確保していましたか?
6. 学習習慣やスケジュールづくりで工夫したことがあれば教えてください。
7. 合格に特に役立った教材や勉強法は何でしたか?また、工夫した点があれば教えてください。
8. 一次試験対策で苦労した分野はどこでしたか。また、苦手分野を克服するために、どんな工夫をしましたか?
9. 「捨て範囲」などはありましたか?
10. テイスティングはどのように練習しましたか?座学との連動を意識するために工夫した点、伸び悩んだ時期の突破方法、実際の試験での手応えなどがあれば教えてください。
11. 2025年度は、ニ次試験の合格率が低かったようですが、合格した人とそうでない人の差は何だったと思いますか
12. 合格後、仕事・生活・価値観にどのような変化がありましたか?ワインを見る目や飲み方、資格がキャリアにどうつながったかなど教えてください。
13. これから受験する方に、最も伝えたいことは何ですか?受験を迷っている方に向けて、一歩踏み出すきっかけとなる言葉をお願いします。


1. J.S.A.ソムリエ・ワインエキスパート資格を受験しようと思った理由は何でしたか?

繁野さん:2024年6月、入門コース受講中に資格試験の存在を知り「当たって砕けろ」の気持ちで受験しました。ただ、準備期間が短く不合格に…。2025年は再挑戦だったんです。

橋本さん:アカデミー・デュ・ヴァンのワイン総合コースStep-Ⅰに入ったのがきっかけです。毎回のレッスンがとにかく楽しくて、そのうちクラスメイトの間で「受験しよう」という流れになり、自然と挑戦することになりました。

金子さん:もともとワインを飲むのが好きで、いつかは体系的に勉強しなきゃと思っていました。同業者にも資格保持者が多く、知人からも「一次試験はきっちり勉強すれば大丈夫だよ」と背中を押してもらったことが決め手です。Step-Ⅱを選んだのは、ただ暗記するより、ワインの裏側にある「なんで」を知りたかったからです。

2. 受験前に不安だったこと、ハードルに感じていたことはありますか?

金子さん:何年か前に受験を考えて、日本ソムリエ協会の教本を買ったことがあったんです。でもあまりにも分厚くて…。サンプル問題も見て、これは大変な暗記量だなと。試験を受ける前に、体系的に指導してもらう必要があると感じていました。

繁野さん:私も同じです。教本を見て、範囲が広いな、どこから手をつけようと思うと同時に、学習に強弱をつける必要がありそうだと考えていました。

橋本さん:Step-Ⅰの延長の気分で受験対策講座に入ったら、重箱の隅をつつくような箇所まで暗記が必要で、とんでもない所に飛び込んでしまった、と思いました。

3. 実際に学習を始めてみて、その不安はどのように変化しましたか?

繁野さん: 授業で習ったことを知識とリンクさせていったことが大きかったです。1回目の受験では、市販の問題集だけで試験準備をしていました。今思えば、問題の答えを覚えていただけでしたね。今回は授業を通じて、バラバラだった知識が有機的につながるようになりました。

金子さん: 私もです。まず授業を受けると、地理、歴史、環境…といった様々な分野についての見取り図が頭の中にできるので、それから試験に向けた勉強を進めていくのが非常に効率的でした。たとえば、ロワールは暗記しようとしても頭に入ってこなくて辛いなと思っていたんですが、授業で図解してもらって、なぜこの地でロゼが多いのかなど腑に落ち、その後の学習もスムーズになりました。

4. 振り返って、受験前に知っておくべきだったと思うことはありますか?

繁野さん:全体を俯瞰した方がいいと思います。どんな国が試験で問われるのか、どんなことが聞かれるのか、というイメージを持つことですね。Step-Ⅰのカリキュラムがちょうど全体像を捉えるのに良かったです。いきなり問題集から入ると、ちんぷんかんぷんになると思います。

金子さん:そうですね、まずは浅く広くさっと一周した方がいいですね。繁野さんのおっしゃる通りStep-Ⅰが良さそうです。

5. 具体的にどのように学習時間を確保していましたか?

金子さん:試験直前は、ある程度の勉強時間が必要だと思い、可能な範囲で業務量をコントロールしていました。平均勉強時間は2〜3時間くらいですかね。

繁野さん・橋本さん:え〜!意外と少ない。さすが金子さん。

橋本さん: ありがたいことに、主人が家事を手伝ってくれました。家を出る前に支度をしながら動画を聞いたり、通勤時間の20分はとにかくオンラインの問題を解いたり…夜は子供を寝かしてから10時から12時まで。週末の午前中はカフェで勉強して、土日は合計10時間、直前期は1日10時間でした。

繁野さん: 私はかつて大学受験のとき朝型でした。だから今回も、夜は10時には寝てしまって勉強しない。その代わり、朝は4時に起きて、5時から出勤まで90分勉強…これをルーティン化しました。試験期間は日が長いので、日の出とともに起きて勉強していると、次第に気分が良くなってきました。

6. 学習習慣やスケジュールづくりで工夫したことがあれば教えてください。

金子さん: 隙間時間があれば問題を解くようにしていました。最後はオンラインの練習問題数が足りなく感じるほど、問題を解きましたね。そして練習問題を解いて間違えたら、テキストに戻って確認する…この繰り返しです。

橋本さん:私は逆に「やらないこと」を決めました。例えば、だらだらテレビやSNSを見る…といったことです。スマホを手にしたら「練習問題を解く」と決めていました。

7. 合格に特に役立った教材や勉強法は何でしたか?また、工夫した点があれば教えてください。

橋本さん:講師が授業で、重要な箇所とそうでない箇所に強弱をつけてくれたのでありがたかったです。それ以外にも、わかりにくいところだけ、自分で絵や地図を描いたりしました。ときにはゴロをテキストに書き込んだりもしましたね。

金子さん:やはり断然使ったのはオンラインの問題です。問題とテキストを行き来しました。何度も同じページを見てがっかりしたことも…。あと、YouTubeでゴロを紹介している動画を見ていました。

繁野さん: 実は私は教本をひたすら読み込んでました。

金子さん・橋本さん:え〜!すごい!(驚き)

繁野さん:もちろん市販の問題集や、仲間からの情報も最大限に活用させていただきましたよ。

8. 一次試験対策で苦労した分野はどこでしたか。また、苦手分野を克服するために、どんな工夫をしましたか?

金子さん:私はドイツが苦手でした。フランスに住んでいたこともあるし、学生時代の第二外国語がフランス語だったからフランスは大丈夫なんですけど…、ドイツ語が苦手で。だからといって、ドイツのすべてを「捨てた」わけではないんですが、ベライヒ(地区)は手をつけるのをやめました。「メリハリをつけた」という方が正しいですね。

繁野さん:東欧が苦手でした。

橋本さん:東欧は言葉が難しいですよね。そういったときは、言葉の成り立ちを知って暗記力をアップしました。

金子さん・繁野さん:たしかに。

9. 「捨て範囲」などはありましたか?

金子さん: 強弱はつけましたが、「捨て範囲」というのはつくらないようにしていました。

繁野さん:私も「捨て範囲」はつくらなかったですが、リキュールの暗記量が多くて途方に暮れました。

金子さん:僕はカクテルが好きなので、そこは楽しかったです。どういうバックグラウンドがあるかですよね。フランスが好きな人はフランス、イタリア好きはイタリア…という具合得意を得点源にした方がいいと思います。日本は身近な人が多いはずだから、得意分野にして得点源にした方がいいんじゃないかな、と思います。

10. テイスティングはどのように練習しましたか?座学との連動を意識するために工夫した点、伸び悩んだ時期の突破方法、実際の試験での手応えなどがあれば教えてください。

金子さん:アカデミー・デュ・ヴァンのテイスティング対策講座受講に加えて、クラスメイトと小瓶に詰めて交換する「小瓶交換」をしました。ブラインドをやっているワインバーや、アカデミー・デュ・ヴァン青山校にある1,500円で30分テイスティングできるカーブも活用しました。

繁野さん:日本ソムリエ協会が出版している「テイスティングは脳でする」を何度も読んで、原理原則を学びました。ワインは小瓶に分けて、毎朝テイスティングしていました。リースリングが苦手だったので、色々な国のものを買ってきて練習しましたね。

橋本さん: 一次試験合格後、8月にあるパーティに参加したら、合格者の先輩から「そんなのんびりしていたら落ちるよ」と脅されました(苦笑)。もう、その日のうちにすぐアカデミー・デュ・ヴァンのニ次試験対策講座に申し込みました。

五感を研ぎ澄ますことも大切だけど、知識を深めることも大切だと途中で気がつきました。私が通っていたワインバーのマスターは「間違ってもいいから、自分の言葉でそう思った理由を説明して」と結構厳しかったんです(笑)。でも、その過程で、自分は白ブドウのニュートラル品種、アロマティック品種すら、スラスラ言えないことに気がついたんです。その後、品種の個性が整理されている副読本を読んで、特徴を自分でまとめてインプットしました。

金子さん:知識重要ですよね。

橋本さん:はい!あとは、小瓶に入れたワインを使って毎晩練習しました。

11. 2025年度は、ニ次試験の合格率が低かったようですが、合格した人とそうでない人の差は何だったと思いますか?

金子さん:品種の個性がインプットできているかどうかも大切だと思います。

橋本さん:金子さんの意見、私も賛成です。それに付け加えるなら、自分の「弱み」と「強み」を知っているかも大事だと思います。例えば、味わい一つとっても、酸やタンニン、アルコールといった観察項目の強弱が、ちゃんと捉えられているのか。

私はタンニンの強弱はよくわかる方でしたが、白ワインの酸の強弱が当初まったくわからなかったので、酸が強いリースリングと、酸の穏やかな品種を徹底的に比較して練習しました。弱点がわかったからこそ、効率的な練習ができたと思います。本番では、酸が苦手という認識があったからこそ、酸よりも、香りやアルコール度数を頼りにしました。

繁野さん:そうですね。それ意外にテイスティングの「フォーム」も勝負を分けたかな、と思っています。いきなり品種を決めに行くと、その品種に引っ張られて、「中間点」が取れなかったのかなと推測します。漏斗で絞るように答えを導き出して、大外ししないようにすることが大切だと実感しました。

金子さん:あとは、試験っぽい雰囲気でテイスティングして、間違えるという体験をすることも大切だと思います。テイスティング練習で大失敗することが結構あり、自分でも恥ずかしいと思うのですが、そういった苦い経験をすると、自分の直感を健全に疑う習慣ができると思うんです。

12. 合格後、仕事・生活・価値観にどのような変化がありましたか?ワインを見る目や飲み方、資格がキャリアにどうつながったかなど教えてください。

金子さん:仕事の会食も含め、ワインを飲むような機会ではワインを選ばせてもらったりする機会が多くなりました。なにより、ワインスクールで友達が増え、人生好転しました。

繁野さん:テレビの旅番組を見て、感動が深まるようになりました。これまで机上で読んでいただけのものを、映像で現地の地勢とかを見るとますますワインが好きになりました。

橋本さん:五感を大切にできるようになったのが嬉しいです。この前、夕焼けを見たときに、ネッビオーロという品種からつくられたワインの色みたいだなと思いました。この経験を通じて、仕事でも自分らしく表現できるようになったのも嬉しい変化です。なによりも、仲間が増え、大好きなワインの裏側にある背景を知ることができるようになったのが嬉しいです。

13. これから受験する方に、最も伝えたいことは何ですか?受験を迷っている方に向けて、一歩踏み出すきっかけとなる言葉をお願いします。

繁野さん:社会人は自己管理が大切だと思うんです。この資格試験で勉強することによって良い習慣ができると思います。自分は、朝早起きして本を読む習慣ができたのが最大の喜びです。

金子さん:資格は第一歩に過ぎないと思います。せっかく資格を取ったからには、好きなワインはもちろん、今飲んでるワインを語れるようになってほしいですね。ワインを通じて友達ができるのが何より楽しく、ワインを学んでいく過程の道しるべとして受験を考えるのもいいと思います。勉強した結果、ワインが楽しくなる…受験勉強自体は大変なこともあるけど、トライする価値があります。

橋本さん:大学受験以来のまとまった勉強で、まさに「大人の青春」でした。この経験によって、改めて「人生は有限」と感じられました。なによりも家族にも良い影響を与えられましたし、ポジティブな仲間にも出会うこともできます。エキスパートを通じて、人生の質を変える一歩を踏み出していただければと思います。


「大人の青春」「人生が好転した」「良い習慣ができた」。

合格者の言葉からは、資格取得が単なる知識の習得にとどまらず、人生を豊かにする経験だったことが伝わってきます。ワインの奥深さを知り、五感を研ぎ澄まし、志を同じくする仲間と出会う。一歩踏み出すかどうか迷っている方は、まずはワインスクールの門を叩いてみませんか。新しい世界への扉は、すぐそこに開かれています。

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