イタリア仕込みのスパークリングワイン、フランチャコルタ。
痩せた土地でありながらも、厳しい決まりを準拠して造られる高品質なフランチャコルタは「シャンパーニュに次ぐ」とも噂され、ワイン業界では「イタリアの奇跡」あるいは「フランチャコルタの奇跡」などと賞賛されています。
【目次】
フランチャコルタ(Franciacorta)とはどんなワイン?
では、上記の目次に沿って、フランチャコルタを説明します。
フランチャコルタ(Franciacorta)とはどんなワイン?
フランチャコルタとは、北イタリアのロンバルディア州東部にあるフランチャコルタ地方で造られる発泡性のある高級白ワインのことです。
イタリアではスパークリングワインをスプマンテ(Spumante)と呼ぶのですが、フランチャコルタはこのスプマンテの1つです。
スパークリングワインに関しては別の記事でまとめていますので、詳しくは「スパークリングワインってなに?シャンパンと何が違うの?」をご参照ください。
ロンバルディア州は北イタリアにあり、ピエモンテ州の東側に隣接し、トスカーナ州の北の方角に位置しています。
アルプス山脈の麓で夏は日差しが暑く空気が乾燥し、冬は寒く雪の多い地域となっており、太陽の光を受けた豊かなブドウが育っていきます。
フランチャコルタの産地はイゼオ湖の南にあるのですが、このエリアの土地は痩せており、農作物には向かないと考えられていましたが、ブドウは例外となり、豊かに育つようになります。
フランチャコルタに使われるのは、そうして豊かに育ったシャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)というブドウ品種です。
また、フランチャコルタは1950年代後半に誕生し、1995年にはイタリアワインの格付け4段階ある中の最高位D.O.C.G.に認定されます。
痩せた土地でありながらも、厳しい決まりを準拠して造られる高品質なフランチャコルタは「シャンパーニュに次ぐ」とも噂され、ワイン業界では「イタリアの奇跡」あるいは「フランチャコルタの奇跡」などと賞賛されています。
フランチャコルタとシャンパンの違い
フランチャコルタとシャンパンには発泡性のあるワインという共通点などがありますが、どういった違いがあるのでしょうか……?
シャンパーニュとの違いは、生産地や法定熟成期間にあります。
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインだけがシャンパンと名乗ることができます。
先にもお伝えした通り、フランチャコルタと名乗ることができるワインはイタリアのロンバルディア州で造られたものです。
法定熟成期間に関しても違いがあります。
シャンパンの場合には最低15ヶ月以上、フランチャコルタの場合には最低18ヶ月以上の熟成が必要です。
なお、フランチャコルタの生産量は少なく、シャンパンの5%ほどです。
その少ないフランチャコルタのうちの約10%しか輸出されていないのですが、輸入先で最も多いのが日本なのです。
フランチャコルタの製造方法
フランチャコルタは、フランスの有名なシャンパーニュの製法と同じく、他の手法と比べて手間のかかる伝統的方式(メトード・トラディショネル/Méthode Traditionnelle)を用いて行われます。
<フランチャコルタの製法・手順>
- 手順1:ベースワインを造る
- 手順2:ブレンドする
- 手順3:糖分・酵母を添加する
- 手順4:瓶詰する
- 手順5:二次発酵させる(最低18ヶ月以上)
- 手順6:熟成させる
- 手順7:動瓶を行う(澱を瓶口に集める)
- 手順8:澱抜き(デゴルジュマン)と糖分を含んだリキュールの添加(ドザージュ)を行う
- 手順9:コルク打ちをする
先ほどもお伝えした通り、手順5の二次発酵ではシャンパンの場合は15ヶ月なのに対して、フランチャコルタの場合は18ヶ月以上熟成させる必要があります。
ワインの辛口・甘口を決めるドザージュ
製造方法の手順8の部分に「糖分を含んだリキュールの添加(ドザージュ)」とありますが、このドザージュによってワインの辛口・甘口が決まります。
ワインの中に溜まった不要物の澱を除去すると、瓶の中のワインの量が減ります。
その減った部分に糖分を含んだリキュールを添加していきますが、そのリキュールを入れた後、1リットル当たりどのくらいの量の糖分が残るかによってワインラベルに表示する名称が変わります。
表示名 | 1リットル当たりの残糖 |
---|---|
ドサージュゼロ Dosaggio Zero |
0~3g |
エクストラ・ブリュット Extra Brut |
0~6g |
ブリュット Brut |
0~12g |
エクストラ・ドライ Extra Dry |
12~17g |
セック(/ドライ) Sec(/Dry) |
17~32g |
ドゥミセック Demi Sec |
32~50g |
フランチャコルタの種類
フランチャコルタワインには以下5つの種類があります。
<フランチャコルタワインの種類>
では、順に説明します。
ワインスクール
アカデミー・デュ・ヴァン
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フランチャコルタ(Franciacorta)
フランチャコルタの中でもスタンダードなワインです。
使われるブドウ品種は主に、シャルドネとピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)が使われ、最大50%と制限があるもののピノ・ビアンコを使うことも可能です。
瓶詰めをしてから少なくとも18ヶ月は熟成させ、出荷までは25ヶ月以上はかかります。
発泡性に関してはボトル内が5~6気圧になるように造られています。
採用されるドザージュは以下の通りです。
ドザージュ・ゼロ / エクストラ・ブリュット / ブリュット /エクストラ・ドライ / セック(ドライ) / ドゥミ・セック
フランチャコルタ・サテン(Franciacorta Satèn)
フランチャコルタ・サテンを造る際にはシャルドネのみを使うことが多いですが、最大50%まではピノ・ビアンコを使用することが許されています。
クリーミーで柔らかい味わいが特徴的で、ボトル内の気圧は5気圧以下になるように造られます。
採用されるドザージュはブリュットのみです。
フランチャコルタ・ロゼ(Franciacorta Rosé)
フランチャコルタ・ロゼはピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)を最低でも25%は使い、その他はシャルドネ、最大50%までという制限のもとピノ・ビアンコの使用が可能です。
ピノ・ノワールを使うことで、アロマの香りが豊かに広がるワインが生まれます。
採用されるドザージュは以下の通りです。
ドザージュ・ゼロ / エクストラ・ブリュット / ブリュット / エクストラ・ドライ / セック(ドライ) / ドゥミ・セック
フランチャコルタ・ミレッジマート(Franciacorta Millesimato)
フランチャコルタ・ミレッジマートは、シャルドネとピノ・ビアンコ、ピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)の3種類を使って造られます。
豊作の年に収穫されたブドウだけを使うという特徴があります。
瓶内での二次発酵から最低でも30ヶ月、澱引きしてから最低6ヶ月、市場に出るまでは37ヶ月以上かかります。
収穫から出荷までに3年以上かけて造られるこのワインは最高峰の味わいとなります。
採用されるドザージュは以下の3タイプです。
ドザージュ・ゼロ / エクストラ・ブリュット / エクストラ・ドライ
フランチャコルタ・リゼルヴァ(Franciacorta Riserva)
フランチャコルタ・リゼルヴァは、ミレッジマートの中でも特に高品質なものを指します。
収穫から出荷までに最低でも67ヶ月(約5年半)かかります。
想像の通り、非常に高品質で希少性の高いワインです。
採用されるドザージュは基本的に以下の3つですが、フランチャコルタ・サテン・リゼルヴァの場合にはブリュットのみです。
ドザージュ・ゼロ / エクストラ・ブリュット / エクストラ・ドライ
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まとめ
イタリア仕込みの最高峰のスパークリングワインであるフランチャコルタ。
スパークリングワインがお好きな方は特に、シャンパンのみならず、フランチャコルタも味わってみるべきでしょう。
様々な種類のフランチャコルタを楽しんでみてください。