連載コラム

連載コラム:佐藤くらら陽子のブルゴーニュ日記 Vol.04 2016_03_28

お日様が出ている時間が長くなり、温かさが嬉しくなってきたブルゴーニュより、こんにちは、佐藤くらら陽子です。

3月のフランスはジブレ・ド・マルスと言われる10分刻みに晴天・雨・雪・雹という天気の変化の激しい季節にあたり、畑での作業は上着を脱いだかと思えば、急に雪が降ってくるという具合に、体感温度の調整が難しく、まさに、ミクロクリマを肌で体験しました。
この時期は、冬のタイユ(選定作業)をした枝を針金の柵に寝かせる誘引作業になります。
ですから、ジブレの湿り気のある気候の方が、枝が折れずに曲がってくれます。
シャルドネの枝はかなり頑固で、曲げるのに一苦労かかり、反対にピノ・ノワールは細くて折れないよう、気を使わなくてはならず、作業を通して色々な発見をしています。

そして、3月21日からサビニー・レ・ボーヌのシモン・ビーズに研修に来ています。
ここサビニーの村はボーヌの街よりも空気が澄み、雲や太陽の光も全く違いますうので、より大自然を体感でき、幸せを感じます。

研修初日は、パリサージュという、収穫後から、冬の剪定でダメージを受けた畑をメンテナンスする作業を行いました。弱っている杭の植え替え、針金の補強作業、病気にかかり死んでしまった株の撤去など、今年の収穫に向けての準備です。
杭を植え替えるには大きなハンマーを使用するのですが、(おそらく私よりも重いかもしれません)当然、私はハンマーを持ち上げることもできません。ピケと呼ばれる杭を一度に3本も運ぶのも大変。1級畑になると畑の傾斜や足元の条件が厳しくなり、より力仕事になります。チームの皆にからかわれながら、教科書には載っていない肉体作業をおこないました。

又、シモン・ビーズの当主の千砂さんと「ぺピニエ」と言う苗木屋に行き、約一万本のシャルドネの苗木を購入に同行しました。苗木工場ではオメガ式の接木作業を見学することができました。(フィロキセラという、アメリカからヨーロッパに伝染した害虫対策用に、アメリカ系品種を根とし、ヨーロッパ系品種を幹にする苗木の作成作業)ミシンのような機械を使用し、まず幹となる部分をカットし、そこに枝になる部分を組み合わせ、赤色の蝋に漬け、接着。
その後、その枝を土に刺し、根っこを生やさせます。私達はその根っこの生えた苗木を購入します。

ドメーヌに戻ると、満月の翌日に植樹するというビオディナミのカレンダーに基づき、粘土と牛の糞を混ぜた調合剤に苗木を一晩漬けるために、苗木の根の部分を3-4センチほどに切り合わせる作業です。一万本の苗木の量もさることながら、調合剤の臭さの方が辛く、人生初の経験をしました。(つまり、糞まみれという事です)

そして翌日の満月の日に、準備した苗木を畑に植える作業を行いました。フルシェット(フォーク)と呼ばれる道具を使い、30センチ程度ある苗木を土中に埋めていく作業なのですが、土が硬かい場所に当たると、フルシェットに私の全体重を乗せても埋まってくれません。刺す角度を変えたり、土を掘ったり、泥まみれになりながらの作業でした。

その他には、ワインの出荷準備作業です。倉庫からワインボトルを準備し、洗浄・ラベル貼りの機械に通し、箱詰めする作業です。これは前回の研修で経験しているので、一人で任されることもありました。発送作業はドメーヌの信用にも関わるので、緊張を伴う作業です。
また、チームの白ワイン醸造責任者のギヨームと100ケース、1200本の箱詰め作業を行いました。これは日本向けのワインです。日本の皆さんが、私の箱詰めしたワインを美味しく味わって頂けたらな・・・と思いながらの作業でした。

そして、「グラン・ジュール」と言われる2年に1度行われるプロ向けのブルゴーニュワインの大試飲会のお手伝いをしてきました。シモン・ビーズのブースに当主の千砂さんと二人で立ち、テイスティングを振る舞いました。楠田先生や内池先生も立ち寄って下さり、久々に再会もできました。ビーズのワインを自信持って紹介しましたので、多くの方に美味しさが伝わったと思います。(自画自賛です!)
そして、そのお手伝いの様子が地元のテレビに放映されました。千砂さんに「地元の人になってきたわね」と言われ、飛び上がるほど嬉しくなりました。

まだまだ、修行の日々で、沢山の試練がありますが、ブドウの樹とワイン作りの作業に携えて生活している自分に幸せを感じている毎日です。

ではまた!

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