連載コラム

連載コラム:佐藤くらら陽子のブルゴーニュ日記 Vol.14 2017_08_18

真夏のブルゴーニュより、こんにちは、佐藤くらら陽子です。

7月のバカンスの季節に突入し、観光客の数が増え、とても賑やかなボーヌです。ブルゴーニュのクリマが世界遺産に登録された為、いっそう人の数が増えていると、ブルギニヨンは言います。

畑の仕事もいよいよ最終段階、収穫に向けての手入れが続いています。しかし、週単位で変更するブルゴーニュの天候に心配が絶えない毎日です。
6月中旬はカニキュルと言われる38℃を超える猛暑の日が続き、その翌週は突然の嵐や雨により気温が下がる一週間でした。そして7月初旬は太陽が再び戻り、30℃越えの日が続き、安心する間もなく、その翌週は一部で雹が降るといった不安定な天候が続いています。(先週の雹ではボージョレ地区はかなりの被害を受けました。)
私の働くサヴィニィの畑は雹の被害を免れ、日照りに続く降雨と暑さの戻りによって、ブドウには好条件、順調に育っています。
6月中は一日に10センチほど伸びる蔓をまとめて束にし、枝として上に伸びるよう誘引する作業と、まとめた蔓の先端を切り落とすロニャージュという作業でした。(私の顔の倍くらいある大きなハサミを持っての手作業です!)
これはブドウの蔓の長さを揃えるだけではなく、枝として上に伸びていくように蔓を矯正し、蔓の先端を切り落とすことにより、蔓の成長に使う栄養分をブドウの房に向かわせる重要な作業です。その後、蔓がしっかりと上に伸びるよう誘引された後、かび病対策や太陽による色付きのために枝と枝の間隔を調整し、風通しが良くなるようにブドウの樹を仕立てていきます。
ブドウの樹は蔓植物なのであっという間に蔓が絡み合いあいます。枝に変化しつつある新枝をほぐすのは一苦労。思いのほか力が必要で、まるでブドウの蔓と枝と格闘しているようでした。
また、ドメーヌによっては除葉が行われますが、シモン・ビーズは除葉よりも枝の間隔をあけることに重点が置かれました。そのため、ブドウの枝と蔓との格闘の日々となりました。
そして、嵐や雨が続いたため、ミルディユ、オイディウムが見られるため、カビ病対策にトレットモンと呼ばれる薬の散布が行われています。
カニキュルの猛暑の週は太陽の下での作業が人害になる為、多くのドメーヌが作業時間を午前中にシフトしました。シモン・ビーズでは朝4時45分集合、5時から12時までが畑の作業時間となりました。朝一はまだ薄暗くて涼しい為、作業が進みます。7時過ぎに太陽がコルトンの丘の上の方から上がり始め、10時過ぎには直射日光が肌を刺し、痛いくらいの光線を浴びます。12時にはギブアップです。頭から湯気が出るほどの暑さ。さらに温度が上がる午後の作業は中止です。午後の畑は静かで、人の影も見られませんでした。そしてボーヌの扇風機が売り切れになる程の暑さでした!
そして、その猛暑の翌週は突然の嵐と雨。気温も13℃まで落ち、外出するにも再びジャケットが必要な寒さとなりました。乾いた畑には絶好のタイミングでのお湿りになりましたが、雨が続いたため、今度は、カビ病の心配です。雨の週は集合時間7時と通常に戻りましたがぬかるむ畑での作業は進行を妨げました。そして7月に入り、再び太陽が戻り、猛暑まで行かずとも30℃を超える毎日の為、6時集合で作業が行われます。
現在、ブドウの実は順調に成長し、一部ピノ・ノワールの枝や房の一部は色付きが始まっています。
7月中旬からはドメーヌも夏休みに入るので、それまでにブドウの樹の態勢を整え、ブドウの房が成熟していくのを待つ状態にまでもっていかなくてはなりませんので、最後の追い込みの作業が行われています。

そのような日々の作業の中、ブルゴーニュ大学の醸造技術師の資格試験がありました。クラスの中で日本人は私一人だけ、授業の内容も専門用語。理系でない私は特に化学のテストの遊離亜硫酸と総亜硫酸の測定と計算にとても苦労しました。テキストも理解するのも困難で、化学式からやり直し。中学生の化学をサイトで探し、そこからフランス語に置き換える勉強は人の倍時間がかかりました。その他にも筆記の理論記述テスト、テイスティングのテストが続き、一日がかりの緊張の続くテストでした。ですから、合格の通知をもらった時は、倒れこむほど嬉しくて涙ぐみました。

その他、ブルゴーニュは夏のお祭りで賑わっています。フランスの自転車レース「ツール・ド・フランス」がニュイ・サン・ジョルジュの村を通過したり、野外音楽祭が行わたりと、22時過ぎまで明るい時間をブルギニヨンはワインを片手に大いに楽しんでいます。

そして、休みを利用し、友人の畑を訪ねにジュラ地方に行きました。今年の春先の霜害で9割ブドウを失ったシャトー・シャロンの畑のブドウの葉は大きく成長しているものの、実がありません。昨年同じように霜害にあったサヴィニィを思い出し、切ない気持ちになりました。
ジュラ地方はダイナミックな緑の木々の大地と美しい湖、そして人口より多いと言われる牛とハエ。車を走らせても人より牛に遭遇します。コンテチーズの里なのだと実感してきました!
もちろん、シャトー・シャロン、エトワールなどのワインも楽しんできました!

収穫まであともう一息!畑のブドウの成長を日々見ることができ、とても勉強になっています。

それでは!また!夏の畑を眺めつつ

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