連載コラム

連載コラム:佐藤くらら陽子のブルゴーニュ日記 Vol.13 2017_05_12

太陽の光がまぶしいブルゴーニュより、こんにちは、佐藤くらら陽子です。

フランス大統領選挙で盛り上がっているフランスですが、ブルギニヨンの関心事は日々の天気予報なのがここブルゴーニュです。
私も起きたらまず、天気予報をチェックし、空を眺めます。(すっかり農婦です!)
ドメーヌでの朝のミーティングではその日の天気によって作業が決められ、翌日の天気やその週の天気予報次第で作業のスピードが調整されます。というのも、この時期の天気はヴィニュロンにとって命にかかわる重大事だからです。
4月に入ってから好天が続き、畑のブドウの蕾や葉は昨年よりも早く成長し、畑は緑が多く見えるようになってきました。
ブドウの成長も好調に進む中、この時期ヴィニュロンが恐れているのが春の遅霜です。
フランスでは「ジブレ」といい、温かくなった時期に急激に気温が下がり、いきなり雨や霰が降り始め、そしてまた急に晴天となるという激しい天気の変化が、一日のうちに何度も起こります。
雨の後の気温の降下により霜がおり、朝の太陽の光がブドウの芽を直撃し、芽を焦げた状態にした昨年。遅霜の被害はサヴィニィ・レ・ボーヌの村に大被害を与えました。
今年は昨年の学びにより、村をあげての対策が取られることとなりました。村が大量の藁を購入し、風の流れや畑の位置を見ながら、決められた各所に藁の塊を設置、朝太陽が出る前に火をおこして煙を焚き、直射日光から芽を守るという作戦です。
4月20日、朝5時に村のサン・ヴァンサンの塔の前に村中のヴィニュロンが集合、その日の天気により「決行!」が告げられました。各々が前日に設置した藁の塊の前に付き、着火。真っ暗な畑に炎が上がりだします。上方の1級畑からの煙が風の流れによって、村名、地方名畑まで下がってくるのは圧巻でした。村中が真っ白になり、煙の臭いに包まれました。そして、その日は雲がかかっていたことと、この「藁作戦」のお陰で太陽の光による直接の被害は一部を除き免れることができました。
サヴィニィ村が一丸となって霜対策を行ったことはブルゴーニュの新聞のトップ記事に取り上げられるほどでした。
そして、4月の最終週。再度寒波が訪れるという事で、また「藁作戦」が決行されました。私も藁の塊2個を担当。塊を崩しながら藁に火をつけ、藁の火が絶えないように2つの塊の間の25mを走りながら幾度も往復。5時から8時まで火をおこし続けました。(最後はくたくたで、放心状態!)
この日は前回のサヴィニィ村の「藁作戦」を見た幾つもの村も同様にこの「藁作戦」を行いました。
ボーヌに戻ると街中が真っ白。サヴィニィ村だけでなく周辺の村々からの煙がボーヌまで下がってきたため、土曜のマルシェも煙に包まれました。誰かが「どこか火事だったの?」とか、ハム屋さんは「燻製ハムになっちゃう。。」、「スモークチーズだ!!」など、ブルギニヨンジョークが飛び交いました。おかげで、遅霜の被害は最小限にとどめることができました。

ドメーヌでは、芽掻き作業が始まります。伸びた芽の中から、ブドウの将来を見据えてよいブドウを残していく重要な作業です。実を落としすぎも、残しすぎも駄目という緊張する作業です。(が、まず、腰が悲鳴をあげます!)

それでも天気の恐怖は続きます。5月末に「サン グラス」という、雹や霜などがもう一度降りる急激な気温の降下がもう一度来ます。それを乗り切るまでは油断できないと千砂さんもおっしゃっています。気の抜けない毎日が続きます。それでも私はブドウのために頑張りたいと思います!

それでは、また!お天気を祈りつつ

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