連載コラム

連載コラム:伊東道生の『<頭>で飲むワイン 』 Vol.92 2019_01_04

~回顧ワインをめぐる人2018 いつもながらのシャンパーニュ~

あけましておめでとうございます。
ワインの国でもありながら革命の国でもあるフランス。年末から続く反マクロン運動はどうなるでしょうか。根底にあるのは、フランスだけでなく日本を含め先進国ばかりか、途上国にも広がる格差社会。この社会が抱える問題に手を打たないと先行きの不安がいっそう大きくなっていきそうです。
政治はさておき、ワインのお話です。RVF誌は毎年ワインに関係する200人を選んでいますが昨年2018年の結果が掲載されました。一位はそのマクロン大統領とカナダはケベックの女性Catherin Dagenais。彼女は世界でもっともフランスワインを買った人だそうです。ケベックアルコール協会初の女性委員長をしていて、2017年にはケベックで売られているワインの32%にあたる8億ドル以上のフランスワインを購入販売しました。もともとケベックはフランスからの移植民も多く、フランス語を話しますので、フランスワイン愛好家も多いからですね。

そして同じく一位がマクロン。フランスでは1991年のエヴァン法以来、アルコールと煙草の規制が政策として展開します。もっとも顕著なのは、広告が禁止されたり、健康への害を表示したりする施策です。日本でも同じような施策がとられていますが、TVで芸能人が煙草を吸いながら話しているのを見ると、どうかと思います。ジェームズ・ボンドでさえ、ボランジェやマティーニは飲みますが、煙草は吸わなくなりましたからね。というわけでフランスの歴代大統領はワインの国でありながら、喫煙や飲酒のはなしはタブーだった面もあります。ミッテランはエヴァン法そのものに好意的であり、シラクはコカコーラしか飲まないという噂でした。サルコジもアルコールは飲まず、ミネラルウォーターとジュース。これを揶揄するようなサルコジの顔が描かれたエチケット付きシャンパーニュの画像もあったくらいです。そう言えばこの頃、エリゼ宮のストック・ワインが売りに出されたり、ディジョン市役所のワインが売りに出されたりしました。前大統領のオランドもしかり。RVFは、オランドは世界のあらゆることを語った。ただしワインを除いて、と書いています。このタブーを破ったのがマクロン、そのため一位にあげられたようです。食事の時はいつもワインを共にすると発言し、しかも掲載されている写真もグラスを傾けているものです。またアルコールの害を議論する会議にワインの生産者を加えたり、過度な飲酒は害になるが、ワインはその限りではないとか、けっこう物議を醸しそうな発言をしたりしています。

この二人のおかげ?で上位常連のLVMH会長Bernard Arnault氏は3位に落ちました。アルノー氏ははたして毎日、何を飲んでいるのでしょう。4位はカステル・グループの設立者Pierre Castel氏。RVFの評によるとワインのフランス人リーダーです。5位はGCAグループ代表のJoseph Helfrich氏。フランスワインをもっともたくさん輸出しました。グループで一年に4億4000万本を売り、その80%が輸出に向けられています。彼はアルザスの人ですので、アルザス・ワインを飲んでいるのでしょうか。シラク、サルコジ、オランドの歴代大統領と友人であるフランソワ・ピノー氏は6位。ラトゥールとクロ・ドゥ・タールを交互に飲んでいるのでしょうか。最近の売り買いで話題になったのは、このクロ・ドゥ・タールとペトリュスですね。コロンビアの富豪にその20%を売ったジャン・ムエックスは12位に入っています。上がっている中では32歳と若手です。彼は毎日ポムロール?それにしても、高額での売買が続いてしまうと、近隣でワイン業を家族代々で行っているドメーヌは相続の際、大変でしょう。 さて、RVF誌は年末年始の、いつもながらのシャンパーニュ特集です。クリスマスから年始にかけていろいろ飲まれているでしょうが、連休も待っていますし、成人式にも。

今回は、ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ(アッセンブラージュ、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール)、スペシャル・キュベ、2008年もの(10年経て、ということで)の3グループで紹介しています。当たり前ですが、シャンパーニュも高くなりました。2008年は軒並み3桁です。ですので、比較的手頃なものを紹介します。 まずノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ(アッセンブラージュ)では30ユーロ以下のものを。―Gone-Medeville, Brut 1er cru Tradition 16点24ユーロ 、Hure Furewres, Brut Invitation 15.5点 27ユーロ。15点で、Paul Bara, Brut Reserve 24ユーロ、Barnaut, Brut Grand Cru Grande Reseve23ユーロ、Michel Gonet,Brut16g28ユーロ、Nicols Maillart,Brut 1er cru、Nicolas Maiiiart,Brut,1er cru Platine 28ユーロ、Arnaud Margeine Brut 1er cru 15.50ユーロ、J-M Seleque,Extra-brut Solessemce 27ユーロ。

ブラン・ド・ブランでは、Gimonnet-Gonet,Brut Gran cru Cucee d’or 15点22ユーロ、J.L.Vergnon, Extra brut Grand cru Eloquence 27.20ユーロ。ブラン・ド・ノワールでは、Fleury,Brut 16点28.50ユーロ、Rric Taillet,Brut Exlusiv‚T Blanc de Meunier(これはムーニエ100%)15.5点。

キュベ・スペシャルではさすがに20台はないので、35ユーロにあげます。まずは最近躍進著しいARLenoble, Extra brut Grand cru Choilly Blanc de Blancs Mag 14 35ユーロ、16.5点、16点でDiebolt-Vallois,Brut Prestige Blanc de blancs 27.50ユーロ。Gatinois,Brut Grand cru Prestige 22.50ユーロ、Gonet-Medeville,Brut 1er cru Blanc de blancs 29ユーロ。15.5点でDehouits&Fols,Brut nature35ユーロ。Andre Jaquart35ユーロ、Laherte Freres,Brut nature blanc de blancs 34ユーロ、Marc Hebrart,Brut 1er cru mes Favorites 28ユーロ、Lancelot-Pienne, Brut Grand cru blanc de blancs Table Ronde 31ユーロ、15点でGuiborat,Extra-brut Grand cru blanc de blancs,34ユーロ。

さすがに2008年はそうもいきませんが、Guy Larmandier, Brut Grand cru Signe Francpois Blanc de blancs 2008は16点で31ユーロ、これはいいですね。Eric Tillet,Brut L’AnT2008は22ユーロで15.5点。 ご参考までに。
このところ日本酒づいているRVFですが、さすがに今号には特集はありません。しかし、記事はありました。
秋から冬になるとパリでは焼き栗を売っていて、よく歩き食いをしましたが、デザートにも栗を使うモノが多くなります。マロン・タルトには、ルーションのリヴザルトRivesaltes ambre 1998 Domaine de Rancyが合う、さらに別の選択肢としてダルマ正宗十年古酒(白木恒助商店)が挙げられています。甘さと旨味のバランスで栗デザートによく合う、と。取りあげられたsakeはまたも灘、伏見ではなく岐阜でした。
今年もRVF誌を中心にワイン情報をささやかながらお伝えしていきます。よろしくお願いします。

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