連載コラム

連載コラム:伊東道生の『<頭>で飲むワイン 』 Vol.44 2014.12.19

年末年始はやっぱり・・・

クリスマスから年末年始は、やはりシャンパーニュということで、今年もやはり
RVF誌の年末号は、恒例のシャンパーニュ特集。ただし、今年はブラン・ド・
ブラン限定。NVとミレジメ(2002~2009)が対象で、20点満点での評価です。
119の銘柄、そのうち56がNV、63がミレジメです。銘柄を評価している表では、
上位は三桁(ユーロで)が多く、かなり高額で、手が出ません。ユーロに対して
かなり円安になっている現在では、さらにそうです。
では、NVから。トップは、ドゥ・スーザ(De Souza,Brut Grand cru,Cuvee
de caudailes,18.5点, 46ユーロ)。それに 続くのが、AR.ルノーブル(AR.
Lenoble,Les Aventures,18点,89ユーロ)、アヴァンチュールという名前がすごい。
飲みながらアヴァンチュールをするのでしょうか。次が、ベレシュ・エ・フィス
(Bereche et fils,Les Beau-Regards, 45ユーロ)。このあたりがトップ・スリーで
、最後のものは、あまりおめにかかりませんが、高評価の割にそれほど高価では
ありません。日本での実勢価格はわかりませんが。

全体として見渡すと、ジャック・セロスがNV、ミレジメを問わずに、高評価ですが、
お値段が・・・。15年ほど前、日本のデパートでもロゼが7000円くらいで売って
いたのが懐かしい。ロゼとしては、その当時出色の出来で、いろいろな人に贈って、
感謝された覚えがあります。
さて、2002年は、そのジャック.セロス(Extra-brut cru Avize,19.5点,135ユーロ)。
ちなみに20点満点は、ジャック・セロスの2003年と2008年のアグラッパール
(Agrapaert et fils, Brut nature Venus 2008)。同じ2008年で、アグラッパールの
Extra-brut, Avizoiseは、18.5点、Mineralは18点と、上位を占め、2008年は
アグラッパールの年になっています。

RVF誌でのアグラッパールの評価はかなり以前から高く、とくにこの年からで
しょうが、いまではメゾンとしては、RVF誌のガイドブック『ル・メイユール・
ヴァン・ド・フランス』でもこのところ、三つ星です。日本での知名度も少しずつ
あがってきて、おかげで高くなってきました。残念です。

でもまだ手が出る値段なので今のうちに買って熟成させましょう。ちなみに
シャンパーニュの三つ星は、ほかにボランジェ、エグリー・ウーリエ、
ジャック・セロス、ジャクソン、クリューグ、ロデレール、ポール・ロジェ、
サロンです。 

ところで、ブラン・ド・ブランというと、最初に念頭に浮かぶひとつにサロンが
ありますが、2002年が19点。その先の年は、まだ、ということでしょうか。
 
コラムによると、シャンパーニュではシャルドネ、とくに特級畑のものが値上がり
しているそうです。ここ数年の天候で不作も続き、質もイマイチ。
アッセンブラージュ用のストックも、さらにネゴシアンでもけっこう減って
きているようです。グラン・クリュの畑で1キロ6.50ユーロ。750ミリリットルで、
1.2キロ使うとすると、それだけですでに7.80ユーロ。原価だけでもフランスで
飲む日常ワインより高い!ということで地域やドメーヌの良心も問われるところ
ですが。そのなかでアンドレ・ロベール(Andre Robert)、テヴネ・ドゥルヴァン
(Thevenet-Delouvin)、ヴァザール・コクァール(Vazart-coquart)、ステファーヌ・
コキィエット(Stephane Coquilette)はコスパよく、よろしい、と。頻繁には
お目にかかりませんが、アカデミー・デュ・ヴァンでも大量に買い付けて
もらいましょう。

手の出そうな20ユーロ台では、ヴーブ・フルニ、ピエール・ジモネ、
ギー・ラルマンディエあたり―ネットでもよく売っていますね。それからあまり
おめにかからないもの。Diebolt-Vallois―これはRVF誌おすすめなのか、よくRVFの
ネットで宣伝しています―、さらに、Guiborat et fils, Bonnaire,Phillipe
Glavier,Libert et fils等。これとは別に、20ユーロ以下の、シャンパーニュ
一般でおすすめも紹介しておきます。

1. YANN ALEXANDRE (Montagne de Reims, 6,4 hectares)
Brut Nature Roche Mere 15,5/20 15,80 ?

2. DEHOURS (Vallee de la Marne, 14,5 hectares)
Brut Grande Reserve 15,5/20 20 ?

3. LANCELOT-PIENNE (Cote des blancs, 8,4 hectares)
Brut Grand Cru Table Ronde 14,5/20 Prix : 18,90 ?

4. MICHEL LORIOT (Vallee de la Marne, 7,8 hectares)
Sec Cuvee Marie-Leopold 14/20 17,80

5. FABRICE BERTEMES (Montagne de Reims, 5 hectares)
Brut Grande Selection 14/20 13, 10 ?

6. GUY CHARLEMAGNE (Cote des blancs, 15 hectares)
Brut Reserve Grand Cru Blanc de Blancs 14/20 19,10 ?

7. GALIMARD PERE ET FILS (Cote des Bar, 10 hectares)
Brut Selection Reserve 14/20 13 ?

8. SADI MALOT (Montagne de Reims, 10 hectares)
Brut Cuvee de Reserve Premier Cru 13,5/20 14 ?

9. EDMOND BOURDELAT (Vallee de la Marne, 5 hectares)
Brut Selection 13,5/20 15,60 ?

10. MOREL PERE ET FILS (Cote des Bar, 7,5 hectares)
Brut Reserve 13/20 14,95 ?


ところで、最近シャンパーニュは、ノン・ドゼ(non dose,brut nature)が
はやっていて、多くのメゾンが、その割合を増やしています。なんだかんだ
いって、売り上げの95%をしめるのはブリュット(brut:ドサージュは一リット
ルあたり12グラム以下)ですが、各メゾンはその比率を高めているようです。

ローラン・ペリエのエクストラ・ブリュットは1980年初頭からでていますが、
ドラピエも最近よく売っていますし、アイヤラも。RVF誌の面白い見解として、
ノン・ドゼのシャンパーニュには、ヨード系の食べ物、つまり海産物が合うと
のことです。ウニ、キャビア、牡蠣、そして寿司がぴったりだそうです。
海草類もこれに入りますね。海藻サラダも、あうのかなあ。ただ個人的に、
江戸前はネタに細工がしてありますし、マグロ系や穴子にはどうか、と思います。
光り物とウニをあてで最初に頼んで、そのときはノン・ドゼ、次からはブリュット
でいいかと。ただし、ノン・ドゼは、とくに葡萄の熟成に依拠していると思います
ので、たとえばシャンパーニュらしいはなやかな花の香りや果物の香り、フレッ
シュさと言うよりも、熟成香、それなりの充実した香りが最初に来るので、ものに
よって、すこし難しい面もあります。ですから最初に飲むといっても、シャンパー
ニュの銘柄によって異なる、というのが個人的体験談です。もっとも個人的に熟成
させたシャンパーニュが好きなので、一般論ではないかもしれません。

さて、シャンパーニュ用グラスと言えば、細身のチューリップが定番ですが、
いろいろなグラスをそろえるのも大変な消費者用に、RVF誌では、どのワイン
にも合う、一般使用のグラスはあるか、という特集をしていて、バカラから
イケアのグラスまで十種を比較検討していますが、そのうちで、泡ものに
最適ワインを紹介しておきます。Glass&CO In vino veitas 02 Fusele,
il aime les bulles( 泡☆☆☆白☆☆赤☆日常使用8/10点)、Leonardo,
Tivoli(コスパ最高、泡☆☆☆白☆赤☆日常使用8/10点)です。安ければ
パーティ用にそろえておくのもいいかもしれませんね。

最後に宣伝。12月発売の『ワイナート』。毎号連載している記事「味は美を語れ
るか」とは別に、ワインのビンテージ、古酒(ワインにこういう言い方はしま
せんが)特集で、座談会を仲間としています。写真!が出てしまいました。
先に挙げたシャンパーニュの熟成の話が中心です。よければお買い上げを。
では、よいお年を。Bonne annee !

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