連載コラム
遠藤利三郎の「読むワイン」〜利三郎文庫便り Vol.11 2018.08.03
「古酒礼賛」を読む。
ちらっと紐解くと
ブルゴーニュ古酒の熟成香を思わす妖艶な香。
ヤバい本だなと思いつつも読み進むと、
やっぱりヤバい本だった。
オールドヴィンテージにちょっと興味があるからと言った、
生半可な気持ちで読んではけない。
覚悟を決めて飛び込もう。
もうあなたは引き返せない。
古酒の魅力は泥沼なのだ。
と言いながら、実はこの本、
古酒初心者にもおすすめできる。
ラベルの見極めや、グズグズなコルクの対処法、
これは便利だ!と思わず唸る磧本マジックなど
(ミスター・スタンプスの磧本さんの技)、
一子相伝の秘孔を突く技が満載。
この本で私も随分と勉強させてもらった。
秋津先生に感謝。
秋津先生があまりにも
美味そうに楽しそうに古酒を飲んでいる。
その飄々とした姿にあやかりたい。
棺桶にワインのボトルを入れてもらっても仕方ないし、
美味い酒を美味く飲める内に
飲んでしまわなければ、と決意に至る。
題名:古酒礼賛
著者:秋津壽翁こと秋津壽男
出版社:ヴィノテーク
「ブルース、日本でワインをつくる」を読む。
足利のココ・ファームから新天地 北海道に移り
10Rワイナリーを設立、
ワイン造りを続けるブルース・ガットラヴ氏。
日本を代表する醸造家の一人だ。
この本では彼が日本にやって来た経緯や
ワインに対する哲学と情熱に触れることができる。
さらにブルースが更に好きになる本だ。
日本のお役所とのやりとりのくだりには
読んでいて思わずニヤリ。
中でも最も困ったことは
「会議でYesかNoなのかが全く判らない」ことだったと言うのには笑えた。
さもありなん。(^^;
題名:ブルース、日本でワインをつくる
著者:ブルース・ガットラヴ
出版社:新潮社