連載コラム

浅妻千映子の最新レストラン事情 Vol.12 2018_08_31

〜赤ワインを欲した夏〜

うだるような暑さの夏に、赤ワインから離れていた人も多いかもしれない。
夏はどうしたって、泡や白が優勢になる。
赤ワインを欲するような食事も、あまりしない。

と言いたいところだが、実はこの夏、赤ワインを欲する、しかも夏にも欲する“あるもの”をよく食べた。
ステーキだ。もちろん、今どきのステーキは赤身肉である。

「ウルフギャング」や「ベンジャミン」、「BLT」といった店は、アメリカに本店があり、アメリカンビーフを熟成させたTボーンステーキがウリのステーキハウスだ。
店のサイズも大きく、高級店ではあるがサービスもかしこまりすぎない。もちろん、肉のサイズも大きい。ステーキfor 2は、骨も入れると900グラム前後ある。

最近、ウルフギャングとベンジャミンを訪れたが、いずれもバターを使って、約900度という超高温オーブンで、まわりをカリッと焼き上げる。
とはいえ、話を聞くと、微妙に手法が違うのが面白い。どちらの店も、「ピータールーガー」というNYの名店で働いていた人がオープンさせた店なのだが。

ちなみに、ウルフギャングはボトルワインが、ベンジャミンはグラスワインが、特に充実している。いずれの店も、アメリカの赤ワインの品揃えは十二分だ。

さて、その、親分であるピータールーガーも、2020年までに日本でのオープンが決まっている。なんだか東京はすごい街ですね。

アメリカからフランスに目を移すと、2年ほど前にオープンした西麻布の「ル・セヴェロ」は、パリに本店がある。
日本では、国産の熟成肉や、フランスの牛も置いている。
店の雰囲気は落ち着いたビストロという感じで、大人の集まりや、男同士も絵になりそうだ。

そのル・セヴェロの姉妹店が、今年、目黒にできた「セラフェ」。
店名には、ワインを祭り気分でという意味がこめられる。
カジュアルな店だが、グランメゾンで働いた経験のあるソムリエがいて、日本産や、自然派、グランヴァンまで、幅広い品揃えだ。
オープンキッチンだから、カウンター席もお勧めだ。おしゃべりも弾む人と訪れれば、なお楽しめるだろう。

アメリカ系、フランス系ともに、それぞれのセオリーで見事に焼かれた肉は美味である。
では肉以外の料理はというと、これはフランス系に軍配が上がるかもしれない。
そして、ル・セヴェロとセラフェを語るときに、忘れてならないのがジャガイモだ!
この店を訪れた誰もが、必ず、イモの話をするのである、

2つの店で使っているのは、なんと、2年間、雪室熟成させたジャガイモ。
ル・セヴェロではフライ、セラフェではローストで出てくるのだが、これが本当に甘い。
炭水化物はちょっと遠慮……なんてセリフは、ひと口食べたら絶対に言えなくなる。

まだまだ暑い日は続くだろう。
でも、肉と赤ワインがあれば、残暑も乗り切れそうな気がしてくる。あのジャガイモがあればなおのこと!


■ウルフギャング・ステーキハウス
http://wolfgangssteakhouse.jp/

■ベンジャミンステーキハウス
http://www.benjaminsteakhouse.jp/

■BLT
http://bltsteak.jp/

■ル・セヴェロ、セラフェ
http://severo.jp/tokyo/

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