夏は暑いぞ、セレブのロゼだ! vol.2〜ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの「10点のロゼ」

太陽が輝いて暑い夏は、キンキンに冷やしたロゼが物凄く美味い。種つきのオリーブを齧りながら、ロゼを飲むと、テーブルに地中海の風が吹くはず。ロゼにもいろいろな種類があるが、今回、「セレブが作ったロゼ」シリーズとして、5種類、紹介する。
第2回目は、「セレブのロゼ」というより、プロヴァンスで作る世界で最も有名なロゼ、「ミラヴァル」。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの超セレブが作る。二人が出演する映画を見ながら、カチカチに冷やしたミラヴァルをどうぞ。

文/葉山 考太郎


【目次】

1.正統派中の正統派ロゼ
2.細やかな心遣い
3.演技派、ブラッド・ピット
4.恋多き女、アンジェリーナ・ジョリー
5.『Mr.& Mrs. スミス』
6.ミラヴァルの情報
7.ミラヴァルの正しい飲み方


1.正統派中の正統派ロゼ

このロゼを一言で表すなら、「5拍子揃った正統派」。
まずは、「所有者が正統派」で、ご存じ、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー、通称、「ジョリー&ピット」がオーナーだ。映画界の超大物の2人が結婚を発表した時、世界に激震が走り、ハリウッドが30メートル地滑りしたらしい。世界的に見て、これだけの大物がカップルになった例は、歴史的に見て、クレオパトラとシーザー、楊貴妃と玄宗、レーニエ3世とグレース・ケリーぐらいだろう。

第2は、「生産者が超正統派」であること。ジョリー&ピットのロゼ造りを担当するのが、ローヌ地方シャトーヌフ・デュ・パプの名手、マルク・ペラン。ペランのワイナリー、「シャトー・ド・ボーカステル」は、シャトー・ラヤス、ドメーヌ・デュ・ペゴーと並んで3大老舗にして名門。ロバート・パーカーが高得点を連発している。ペランは、自然派の有機農法でワインを造っている。2人のコラボレーションは、ワイン専門誌として世界最大発行部数のワイン・スペクテイター誌2014年6月号の表紙を飾った。

第3は、「生産地が正統派」であること。ワイン愛好家1,000人に、「ロゼで最も有名な生産地は?」と質問すると、997人が「プロヴァンスに決まってるでしょ」と即答するはず。ジョリー&ピットのミラヴァルは、プロヴァンス地方の中央部にあるコランス村にある。ある意味、「ロゼの甲子園」だ。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは、500haの土地、畑、醸造施設、建物を別荘として購入。ミラヴァルが世界的に大人気になったため、この「セレブのロゼ」シリーズの第1回目に登場したフランシス・フォード・コッポラ同様、大きな収益を生むことになった。

第4は、「ワイン・スペクテイター誌が選定した正統派ロゼ」であること。ワイン・スペクテイター誌は、毎年1回、その年のトップ100ワインを発表している。2013年のトップ100に、ジョリー&ピットの「ミラヴァル2012」が84位になった。同誌でロゼが「トップ100ワイン」に入ったのは初めてのこと。一挙に「ロゼ世界一」となった。

第5は、「ボトルが正統派」であること。ボルドーのワインは、いかり肩のボルドー型ボトル、ブルゴーニュはなで肩のブルゴーニュ型ボトル、アルザスはアルザス型の細長いボトルに入れるのが定番。一方、プロヴァンスのロゼは決まった形がなく、見事にバラバラのボトルに入れる。その中で、ミラヴァルは、アンリ4世の時代のガラス瓶のような古風なボトルに入っていて、正統派感が満載。

以上、業界でトップの名声があり、品格を備え、尊敬を集め、高品質で技術力も最高、万人から愛されるロゼがミラヴァル。ボルドーならラフィット、ブルゴーニュならドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、バイオリニストならヘンリク・シェリング、ピアニストならチック・コリア、絵画ならオーギュスト・ルノワール(私個人的にはルネ・マグリット)、作曲家なら、ヨハン・セバスチャン・バッハ、ボクシングならロベルト・デュラン、競艇なら植木通彦、将棋なら羽生善治という超正統派だ。

 

2.細やかな心遣い

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