伊東道生の『<頭>で飲むワイン』Vol.104

伊東道生,ワイン,最新情報,トレンド,Vin de France,コロナ

*連載コラム「伊東道生の『<頭>で飲むワイン』」のアーカイブページはこちら

ボルドー・クイズ

伊東道生,ワイン,ボルドー,最新情報,トレンド

伊東道生の『<頭>で飲むワイン 』No.104

明けましておめでとうございます。2020年最初のコラムです。

年末年始いかがお過ごしでしたか。素敵なワインを飲まれましたか。

もうプレゼントの時期は過ぎてしまいましたが、面白い贈り物最適品を見つけました。

もうご存じの方も多いとは思いますが、Ullo Cadafe purificateur 英語ではwine purifier、つまりワインを純粋化するカラフェ、亜硫酸塩を除去するフィルター付きカラフェです。

<Ullo ワインピュリファイアー付きデキャンター>としてアマゾンでも売っています。

2万5千円とお値段も結構で、替えフィルターも必要、と維持費も大変ですが、まあ、ワイン好きへの贈り物なら・・?

もう一つ。Chef et Sommelier, Tire bouchon a Champagne Ultra Design シャンパーニュ栓抜きです。

これは日本ではまだ売っていないようです。写真を探して見ていただけるとわかりますが、たしかにウルトラ・デザインです。実用向きかどうか・・・?

さて年末のRVF誌特別号は「ボルドー」特集。「ボルドー・バッシングの偏見を超えて」という副題で、新しいボルドーの可能性を考える、という特集です。

『ボルドーワイン味の再発見』(J.Rigaux, & J.Rosen, Le Gout retrouve du van de Bordeaux)、『ボルドーワインガイド』(F.Martin, Guide des crus classes de Bordeaux)、『ボルドーワイン称賛』(J-L Schilling, Eloge immodere des vin du Bordeaux)といったアンティ・バッシングに対抗する書籍も出版されています。

ボルドーを巡る経済環境でもっともキーとなるのが中国であることは言うまでもありません。

2009年以降長きにわたって、ボルドーの輸出国ナンバーワンでした。

しかし2018年価格としては22%減(3億ユーロ強)、ボリュームとしては2017年が8500万本、しかし2018年には5800万本に。

しかも中国だけではなく、アメリカも1%減、香港が4%減、ドイツでは9%減、ベルギーが10%減で、トランプ大統領の増税が追い打ちをかけています。

それでも2018年の輸出国では、中国が一位。アメリカが二位。

【問題1】 三位~六位はどこでしょう。日本、ドイツ、ベルギー、イギリスを順番に並べてください。

輸出されるのは170ヶ国におよび、EUが35%ですが、ただ、輸出に回されるのはボリュームの半分弱で、フランス国内で半分強が消費されます。

ボルドーの畑面積は11万1400haになります。そこに5800もの葡萄栽培者がおり、間接、非間接に5万5千人の働き手が関わっています。では…

【問題2】 葡萄畑の面積のうち、クリュ・クラッセが占めるのは何%でしょうか。

5% 10% 15% 20%のどれ?

ボルドーと言えば、基本的に赤ワインを連想しますが、もちろん、辛口・甘口白、と最近の流行を狙ってロゼやクレマンも製造しています。

【問題3】 40億ユーロ強になる生産全体に占める赤ワインの価格としての比率は84%になります。そのうち半分はボルドー及びボルドースーペリウールです。他のワイン種、つまり辛口・甘口白、ロゼ、クレマンが占めるのは、それぞれ一桁の%で、9%、4%、1%(二種のワイン)のいずれかになります。(何故か足すと99%ですが、雑誌の数字がそうなので、そこは目をつぶって・・)では、辛口白、甘口白、ロゼ、クレマンはそれぞれ何%でしょう。

ボルドー・バッシングの言説の中には、ブルゴーニュに比べて、テロワールへの配慮が少ない、個性を喪失している、というものがあります。

これに対して、殺虫剤投与に対する環境改善、旧来種、伝統種セパージュの復権、ビオ栽培などさまざまな手立てが試みられています。

2018年に31歳でロートシルト家のトップになったエリックの娘サスキア・ドゥ・ロートシルトは2007年のシャトー・エヴァンジルを皮切りにビオを始めています。

2016年以降はビオに全面転換、2021年リリースから市場に。またアントル・ドゥーメルのデュクール家ではCabernet Jura、Cal 6-04(赤ワイン用)、Mouscaris、Souvigne gris(白ワイン用)を実験的に植えています。

では、ビオに関する問題です。

【問題4】 フランスでビオ栽培が盛んな地域はラングドックです。栽培面積も2万7000弱haで最大、ただ地域に対する比率は10.9%と意外に低い。まあ、ラングドックの栽培面積自体が広大ですからね。では、地域に対するビオ栽培の比率が高い地域はどこでしょう。第一位はジュラ。476haで、24.4%。では二位はどこでしょう。

最近のフランスワイン事情を知っていれば、比較的わかりやすい。

逆に比率が低いのは、シャンパーニュで、875haで2.6%。ブルゴーニュも低くて2300haで7.8%です。

【問題5】 ボルドーでのビオ栽培は1万800ha強です。では地域に対する比率はどれくらいでしょう。5%、10%、15%、20%のどれ?

ボルドーのなかで微妙な位置にあるのがソーテルヌ。

流行から外れ、価格としても、まだ手に入るシャトーもけっこうあります。

ソーテルヌの戦略のひとつに消費スタイルの宣伝があります。

食後のソーテルヌに限らず、「いつでもソーテルヌ」というわけで、ソーテルヌ・カクテルが、シャトー・ラフォリー・ペラギー(Chateau Lafaurie-Peyraguey)から提案されています。

ライム、ミントの葉、炭酸水、氷でつくるCocktail mojitoは、エスニック料理にも合うと。お試しあれ。

解答です。

【問題1】 ベルギー、イギリス、ドイツ、日本の順番です。

【問題2】 5%

【問題3】 辛口白9%、ロゼ4%、甘口白とクレマンがそれぞれ1%

【問題4】 コルシカ

【問題5】 10%、正確には10.3%

2020.01.10


伊東道生 Michio Ito

東京農工大学工学研究院言語文化科学部門教授。名古屋生まれ。
高校時代から上方落語をはじめとする関西文化にあこがれ、大学時代は大阪で学び、後に『大阪の表現力』(パルコ出版)を出版。哲学を専門としながらも、大学では、教養科目としてドイツ語のほかフランス語の授業を行うことも。
ワインの知識を活かして『ワイナート』誌に「味は美を語れるか」を連載。美学の視点からワイン批評に切り込んでいる。

伊東道生,ワイン,最新情報,トレンド,Vin de France,コロナ

豊かな人生を、ワインとともに

(ワインスクール無料体験のご案内)

世界的に高名なワイン評論家スティーヴン・スパリュアはパリで1972年にワインスクールを立ち上げました。そのスタイルを受け継ぎ、1987年、日本初のワインスクールとしてアカデミー・デュ・ヴァンが開校しました。

シーズンごとに開講されるワインの講座数は150以上。初心者からプロフェッショナルまで、ワインや酒、食文化の好奇心を満たす多彩な講座をご用意しています。

ワインスクール
アカデミー・デュ・ヴァン