ヴェルメンティーノとは? ~地中海の風をまとう爽やかな白ワイン品種「ヴェルメンティーノ」を徹底解説

今回の主役は、地中海周辺の陽光溢れる土地で栽培され、独特の輝きを放つブドウ品種、ヴェルメンティーノです。長い歴史を持つがゆえに、さまざまな名前で呼ばれるこの白ブドウは、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった「大リーグ選手」でこそないものの、特有の爽やかな風味が、世界のワイン愛好家の心を掴んでいます。イタリアとフランス以外の国では、いまだほとんど栽培されていないブドウではあるものの、新世界で活躍する目利きの「品種ハンター」たちのレーダーには、すでに捉えられはじめました。そんなヴェルメンティーノの特徴、栽培特性、歴史、主要な産地、サービス方法とフードペアリングについて、深掘りしていきます。

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【目次】
1. ヴェルメンティーノはどんなワイン?
2. ヴェルメンティーノの栽培特性
3. ヴェルメンティーノの歴史 ~地中海を旅するブドウ
4. ヴェルメンティーノの主要産地
5. ヴェルメンティーノのサービス方法とフードペアリング
6. ヴェルメンティーノのまとめ


1. ヴェルメンティーノはどんなワイン?

ヴェルメンティーノは、イタリアのサルディーニャ島やトスカーナ州、フランスのプロヴァンス地方やコルシカ島といった、地中海を囲む歴史ある地域で育つ白ブドウです。それらの産地で生まれるワインたちは、共通の品種個性を見せつつ、その土地ならではの環境条件を映し出してもいます。

風味の特徴

ヴェルメンティーノは、フローラルなアクセントと柑橘類の爽やかさを基調に、時には熟れたリンゴやトロピカルフルーツ、そしてなにより、自然の緑を想わせる独特のアロマが特徴です。詩的な言い方をするならば、一息に吸い込むたびに、地中海の自然が息づく風景が目に浮かぶかのよう。味わいは、快活な生命力に満ちあふれ、鮮烈な酸味がダイナミックに口内を駆け巡ります。加えて、潮風に吹かれる土地で育っているからでしょうか、塩味のニュアンスもこの品種を語る上では欠かせません。余韻についても、まるで海辺で感じる風のように、フレッシュで清々しいと言われます。

スタイルの多様性

ほとんどのヴェルメンティーノは、すがすがしい風味をもつ辛口白ワインとして仕込まれます。繊細なアロマを保つために、酸素との接触を極力抑えながら醸造されるのが一般的です。そうしたヴェルメンティーノは若飲みで、瓶熟成による味わいの発展・向上は見込まれないため、購入後は早めに飲んでしまうべきでしょう。ただし、中にはあえて、酸素にさらすことを厭わずに樽発酵や樽熟成をして、風味の重層性、複雑性をもたせた本格的な辛口白もあります。そうしたタイプのものは、瓶熟成をさせる価値があるでしょう。また、このブドウを遅摘みして、見事な甘口に仕立てている生産者もいますし、泡やオレンジだって探せばありますから、ヴェルメンティーノのスタイルにはかなりの多様性があると言えます。単一品種でワインになることがどちらかといえば多いものの、それぞれの産地で栽培されるほかの白ブドウとブレンドされることも、珍しくはありません。価格帯としては、生産国・産地を問わず、日本円で2000円から4000円のレンジに収まるものがほとんどですが、少数ながら1万円を超す値札をつけたヴェルメンティーノもあります。

ヴェルメンティーノ・ネーロについて

ヴェルメンティーノといえば、通常白ブドウ品種を指しますが、同じ名前をもつ黒ブドウも存在しています。その名は、ヴェルメンティーノ・ネーロ(Vermentino Nero)で、イタリアのトスカーナ州に植わっているのですが、その面積はごくわずかです。この黒ブドウ、第二次大戦が終わる頃には絶滅しかけていたところを、1980年代から1990年代にかけて、数軒のトスカーナ州の生産者が復活させました。白のヴェルメンティーノとの遺伝的な関係は、今のところDNA鑑定でも判明しておらず、スペインのモナストレル(フランスのムールヴェドル)と近縁種だという説もあります(後者の説についても、DNA鑑定での立証はなされていません)。

2. ヴェルメンティーノの栽培特性

ヴェルメンティーノの物語は、その栽培特性においても、地中海の自然と深く結びついています。この品種の生命力は、地中海沿岸のテロワールに対する驚異的な適応力によって支えられているのです。

ヴェルメンティーノは春の霜に対する脆弱さを持つ一方で、乾燥した気候や干ばつ、塩分を含んだ海風に対しては驚くほど強い耐性を示します。地中海沿岸部で、この品種が広く栽培されている理由のひとつがこれです。土壌については、排水性に優れた砂利質または石灰岩質のものが、ヴェルメンティーノが最もよく育つ環境だと言われており、土が痩せていても、すくすくと育ってくれます。晩熟のブドウであるため、日照量は多いにこしたことはなく、夏にかなり暑くなる場所でも問題になりません。

樹勢は強く、収量も高めになりやすい品種です。一部の生産者は、冬に強めの剪定を行なって目数を減らし、収量を低く抑えることによって、力強い味わいをもつ本格的な白を生産しようと努めています。ヴェルメンティーノは、ベト病とヨーロッパブドウ蛾には弱く、灰色カビ病やウドンコ病にも強いわけではないため、生育期間中に適切な防除が必要です。病害管理の面でも、乾燥した地中海沿岸の気候が、この品種には適しています。

3. ヴェルメンティーノの歴史 ~地中海を旅するブドウ

ヴェルメンティーノというブドウ品種は、まるで地中海に広がる波紋のように、この海の沿岸に位置するさまざまな土地で栽培されています。しかし、その起源はいまだ多くの謎に包まれたままです。目下のところ、イタリア原産だとする主張が有力ですが、ほかの仮説としては、14世紀から17世紀にかけて、スペインからコルシカ島とサルディーニャ島に渡り、そこからイタリア本土や南フランスへと移植されていったというのがあります(しかし現在、イベリア半島にあるスペイン、およびその隣国であるポルトガルでは、ヴェルメンティーノはまったく栽培されていません)。中近東から、船乗りが西へと運んできたという推定をする識者もいますが、裏付ける証拠はさほどない模様です。いずれにせよ、文献に残されている最も古い記録は、1658年、イタリアのピエモンテ州アレッサンドリア県モンタルデオで、ネッビオーロやコルテーゼといった同州を代表する品種とともに、ヴェルメンティーノが栽培されていたという記述になります。ヴェルメンティーノという名前は、「若々しく、しなやかな新梢」を意味する古い言葉、「vermene」に由来するとも、「発酵」を意味する「fermento」という語に由来するとも言われていますが、これはどちらも同じぐらい、もっともらしいですね。

20世紀を通じて、ヴェルメンティーノの面積は大きく増加しました。たとえば、イタリアのサルディーニャ島では20世紀のはじめ、ヴェルメンティーノは全ブドウ栽培面積のわずか1パーセントに過ぎませんでしたが、現在では4000ヘクタールを超え、同島(州)で最も広く栽培される品種となっています(サルディーニャ島は同時に、イタリア国内で最も広く、このブドウが栽培される産地でもあります)。フランスでも、同様にヴェルメンティーノの栽培面積は拡大し、とりわけ20世紀後半にラングドック・ルーション地方で大きな伸びを見せました。現在、フランス全土でヴェルメンティーノが植わる畑の面積は7000ヘクタールを超え、原産国と目されているイタリアを凌駕するに至りました。

4. ヴェルメンティーノの主要産地

サルディーニャ島(イタリア)

上述のとおり、ヴェルメンティーノが最も重要な白品種となっているのがこの島、サルデーニャ(Sardegna)です。特に島の北東部のガッルーラ地区でこのブドウから造られるワイン、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ(Vermentino di Gallura)は、1996 年に、この島初にして唯一の DOCG に認定されました。島全体で生産可能なDOC、ヴェルメンティーノ・ディ・サルディーニャ(Vermentino di Sardegna)のカテゴリーでも、実に多数の銘柄が生産されています。なお、北西部のDOCであるアルゲーロ(Alghero)には、スパークリングのヴェルメンティーノがあるので、試してみると面白いでしょう。サルディーニャ島ではこの品種を、酸味を保つために早摘みする傾向があり、ワインはとてもフレッシュで個性的です。同島には、秀逸なヴェルメンティーノを生産するワイナリーが多数ありますが、そのトップに君臨するのがカピケーラ(Capichera)です。ガッルーラ地区にあるこの蔵は、ヴェルメンティーノを小樽発酵・熟成させた、スケールの大きい辛口と、豊熟な甘口を生産しています。いずれもかなり高価ですが、試してみる価値のある逸品です。

トスカーナ州(イタリア)

意外にも、イタリア国内でサルディーニャ島に次いでヴェルメンティーノの栽培面積が広いのが、トスカーナ州(Toscana)です。同州といえば、イタリア土着品種の象徴たる黒ブドウのひとつ、サンジョヴェーゼと、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロといったフランス系国際品種のイメージが強いですが、近年は土着品種へ回帰しようというムーヴメントのもと、ヴェルメンティーノの栽培面積も増加しています。単一品種で用いられることもありますが、他の白品種とブレンドされている銘柄が多く見られるのがこの州です。ティレニア海沿岸が主たる栽培エリアで、DOCで言うとボルゲリ(Bolgheri)モンテクッコ(Montecucco)コリーネ・ルッケーゼ(Colline Lucchese)などがあります。優れた銘柄はこちらも多数ありますが、「トスカーナの帝王」とでもいうべき名家アンティノーリ(Antinori)が保有するワイナリーのひとつ、テヌータ・グアド・アル・タッソ(Tenuta Guado al Tasso)がボルゲリ地区で造るヴェルメンティーノは、価格も比較的お手頃で、世界中で人気を博しています。

Simona Bottone – stock.adobe.com

その他の州(イタリア)

リグーリア州(Liguria)、イタリア北西部に位置するこの地域は、狭い沿岸部と険しい山々が特徴です。同州ではかつて、ヴェルメンティーノが最も栽培面積の広い品種でした。地域によっては、ピガート(Pigato)という名でこの品種が呼ばれています。ヴェルメンティーノの白ワインを生産する主なDOCとして、コッリ・ディ・ルーニ(Colli di Luni)、コッリーネ・ディ・レヴァント(Colline di Levanto)、ゴルフォ・デル・ティーグリオ(Golfo del Tigullio)、リヴィエラ・リグーレ・ディ・ポネンテ(Riviera Ligure di Ponente)、ヴァル・ポルチェーヴェラ(Val Polcevera)があります。

リグーリア州に隣接するピエモンテ州(Piemonte)では、同州ワイン産業の中心地アルバの町の北側に広がるロエロ(Roero)地区において、この品種がファヴォリータ(Favorita)という名で、300年以上にわたって栽培されてきました。かつてはワイン用のみならず、生食用にも植えられていたそうです。しかしながら、1990 年代以降の同州では、ヴェルメンティーノの人気がやや失速気味で、ロエロ地区ではよりファッショナブルな土着ブドウであるアルネイス(Arneis)に、アルバの町の南側にあるランゲ(Langhe)地区ではシャルドネに、少しずつ植え替えられています。

そのほか、イタリアではシチリア島(Sicilia)や、トスカーナ州の東隣に位置するウンブリア州(Umbria)でも、ヴェルメンティーノが若干栽培されています。

プロヴァンス地方(フランス)

プロヴァンス地方(Provence)は、フランスの南東部に広がる、光と色彩の地です。ロゼワインで最もよく知られていますが、ヴェルメンティーノ、地元ではロール(Rolle)と称され、時折ラベルにもそう表示されるこの白ブドウも、同じくらいの情熱を持って愛され、広く栽培されています。他の南仏産ワインと同様に、他の地元品種とブレンドされてワインになるのが一般的です。彼の地で造られるロゼと同じく、ヴェルメンティーノを使った白ワインも、フレッシュさや爽やかさがその身上で、「夏のワイン」のイメージを強くまとっています。最大の包括的AOCであるコート・ド・プロヴァンス(Côtes de Provence)で、ほかのいくつかの品種とともに使用が認められているほか、ニース付近の産地であるAOCベレ(Bellet)では、ヴェルメンティーノが主要品種(60%以上使用)になっています。ベレは、50ヘクタール弱のブドウ畑しかないごく小さな産地で、両手の指で数えられるぐらいのワイナリーしか操業していません。しかし、そのうちのひとつル・クロ・サン・ヴァンサン(Le Clos Saint-Vincent)が造る最高級のヴェルメンティーノ、「ヴィーノ・ディ・ジオ」(Vino di Gio)は、この品種が到達しうる頂点のひとつと言うべき銘醸です。ビオディナミ栽培されたヴェルメンティーノだけを使い、樽発酵・樽熟成で仕込んだこのワインは、良作年にのみ生産され、その数はわずか600~800本しかありません。

コルシカ島(フランス)

プロヴァンス地方の南東、地中海の沖合に浮かぶ島がコルシカ(Corsica、Corse)で、イタリアのサルディーニャ島の真北に位置しますから、ナポレオン一世が生まれ育ったこの島で、ヴェルメンティーノが栽培されているのは必然です。サルディーニャ島と同様に、この島でもヴェルメンティーノが最も栽培面積の広い白ブドウで、島北部ではマルヴォワジー・ド・コルス(Malvoisie de Corse)、島南部ではヴェルメンティーヌ(Vermentinu)といった別名でも呼ばれています。島全体で生産可能なAOCのヴァン・ド・コルス(Vin de Corse)をはじめとして、ほとんどAOCの白ワインにおいて、ヴェルメンティーノが主要品種として法律で定められています。特に、パトリモニオ(Patrimonio)AOCの白では、ヴェルメンティーノを100%使用しなければなりません。代表的な生産者として、島の北東部、海に突き出た半島のカップ・コルス(コルシカ岬)でブドウを育てる、クロ・ニクロージ(Clos Nicrosi)が、筆頭にあげられます。樽を用いず、ステンレスタンクで発酵・熟成させたヴェルメンティーノですが、低収量に由来する強い凝縮感が備わっていて、10~15年の瓶熟成に耐えるとの識者の評価です。いまだ知られざるワイン産地、コルシカ島できらりと光る、隠された宝石といえるでしょう。

ラングドック・ルーション地方(フランス)

ラングドック・ルーション地方(Languedoc-Roussillon)は、フランス南部に位置し、プロヴァンス地方から地中海に沿って、西に進んだところにあります。近年はAOCワインも増えてきましたが、もともとはAOCより格下の安価なワインの大産地で、ブドウ品種名の表示が可能なヴァン・ド・ペイ(Vin de Pays)のクラスが、今も人気を博しています。乾燥して温暖な気候のもと、ヴェルメンティーノまたはロールとして知られるこの品種は、多くのAOCやヴァン・ド・ペイで主力となっていて、コスパに優れた白ワインは少なくありません。その例をひとつあげると、エロー県ピク・サン・ルー村(Pic Saint Loup)にある、ドメーヌ・デュ・プジョル(Domaine du Poujol)の白です。主体となるヴェルメンティーノに、ルーサンヌ、カリニャン・ブランをブレンドし、樽で熟成させスケールの大きなワインに仕上げています。ヴァン・ド・ペイとしては高価な部類に入る値札がついていますが、確かな品質は、その値段から導かれる期待値を大きく上回ってくれるでしょう。

カリフォルニア州(アメリカ)

カリフォルニア州(California)もまた、地中海性気候のワイン産地であり、潜在的にはヴェルメンティーノの好適地だといえます。まだまだ栽培面積はわずかですが、2010年代に巻き起こった、いわゆる「ニュー・カリフォルニアワイン」のムーヴメントの中で、ヴェルメンティーノを含むイタリア系・南仏系のブドウ品種に注目が集まるようになりました。この、「ニュー・カリフォルニア」を牽引する大物生産者が2軒、ヴェルメンティーノに取り組んでいるのは耳目を引くところです。まずは、州中央部パソ・ロブレス地区(Paso Robles)を代表するワイナリーのひとつ、タブラス・クリーク(Tablas Creek)。南仏系品種の穂木を多数、カリフォルニアに新たに持ち込み、ワイナリー併設の育苗所で繁殖させたことで知られる蔵です。ヴェルメンティーノについてもパイオニア的存在で、21世紀の初めからその品種名表示ワインを瓶詰めしています。もうひとりが、ナパ・ヴァレー(Napa Valley)の傑物、スティーヴ・マサイアソン(Steve Matthiasson)。当代きっての栽培コンサルタントとして、多くの有名ワイナリーに助言をしつつ、自身は一風変わった高品質ワインを生産する人物です。マサイアソンが仕込む、爽やかさを強調したスタイルのヴェルメンティーノは、看板銘柄のひとつになっています。

その他の産地

このほか、アルゼンチン(Argentina)オーストラリア(Australia)レバノン(Lebanon)といった国々でも、ヴェルメンティーノを使ったワイン造りに挑戦している生産者はいます。比較的、栽培面積が広いのがオーストラリアです。この国でも2010年代以降、カリフォルニアで起きたのとパラレルな、品種の多様性を志向する動きが続いていて、ヴェルメンティーノの植栽もその中で起こりました。特筆すべき生産者としては、南オーストラリア州クレア・ヴァレー(Clare Valley)で、イタリア品種に注力して「新世代の顔」となった、コーナー(Koerner)がいます。「ピガート・ヴェルメンティーノ」(PIGATO VERMENTINO)とラベルに記されているのは、スキン・コンタクトを長期間実施して生まれたオレンジワイン。一方、「ロール・ヴェルメンティーノ」(ROLLE VERMENTINO)というラベル表示のワインは、スラヴォニアン・オークの中樽で発酵・熟成させた辛口の白です。

5. サービス方法とフードペアリング

ヴェルメンティーノは、まずなによりもフレッシュでフルーティ、しかしそれだけではなく、独特の個性が見えるアロマ、そしてエレガントな酸味とミネラル感により、食事を一層引き立ててくれる白ワインです。ここでは、ヴェルメンティーノを最大限に楽しむためのサービス方法と、推奨されるフードペアリングについて紹介します。

サービス方法

一般的なスタイルのヴェルメンティーノは、8〜10℃の温度で提供するのがよいでしょう。この温度帯では、ワインの爽やかさが強調され、この品種ならではの魅力を十分に堪能することができます。一方、樽発酵や樽熟成を経たスケールの大きい銘柄なら10~12℃、オレンジワインなら12~14℃の温度帯が推奨されます。グラスについても同様で、一般的なスタイルなら小ぶりな白ワイン用のものが最適ですが、スケールの大きい銘柄やオレンジワインなら、大ぶりのグラスを選びましょう。ワインと空気との接触面積が増え、アロマが豊かに開きます。デキャンターの利用も、これまた同じで、一般的なスタイルのヴェルメンティーノは、その爽やかさを保つためにも、わざわざデキャンタージュをする必要はありません。ただし、スケールの大きい銘柄やオレンジワインについては、ヴィンテージがまだ若いうちは、デキャンタージュによって香りが開いたり、固い味わいがまろやかになったりする効果が得られるかもしれません。まずはそのまま一口味わってみて、香りが閉じている、味わいが固いと感じたら、それからデカンターを用意するのでも遅くはないでしょう。

フードペアリング

ヴェルメンティーノが備える快活な酸味とミネラル感は、魚介類全般との、素晴らしい相性を生んでくれます。生牡蠣、エビやカニのサラダ、ムール貝の白ワイン蒸しなどなど、新鮮な海の幸の味わいを、おおいに引き立ててくれるでしょう。地方料理との相性という点では、ヴェルメンティーノはその根城である地中海地方の伝統的な料理、とりわけハーブやオリーブオイルを使用した料理と抜群のペアを組んでくれます(たとえば、トマトとバジルのブルスケッタと)。そのほかでは、グリルした野菜や、野菜のテリーヌなど、緑黄色素材や根菜の甘みや旨味を引き立てる料理とのペアリングも魅力的です。チーズならば、フレッシュタイプ、特にモッツァレラやフェタチーズとの組み合わせが、第一のチョイスですが、やや熟成したチーズにも、ヴェルメンティーノはうまくフィットしてくれます。

6. ヴェルメンティーノのまとめ

ワイン揺籃の地である地中海世界で、長く豊かな歴史をもち、イタリアとフランスにほぼ限られはするものの、多彩な産地で愛されている品種がヴェルメンティーノです。乾燥した地中海性気候の申し子とでも呼ぶべき栽培特性を備え、他のブドウにはない特有の個性をもつこの品種は、これからも栽培面積を広げ、そのエリアは世界中へと広がっていくだろうと想像されます。ワイン愛好家たるものの、その名と特徴を頭に入れ、アタックリストに記しておくべきブドウであるのは、間違いないでしょう。

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