アカデミー・デュ・ヴァン東京校 講座体験コラム
チーズ&ワインの基礎を楽しく学ぶ
入門「チーズ入門コースⅠ(フランス編)」 logo Column

ワインとチーズに興味のある人なら、誰でも参加できる「チーズ入門コースⅠ(フランス編)」。美味しいフランスチーズと一緒に、その地方に息づくワインを楽しめることも講座の大きな特徴です。チーズ&ワインの基礎を学びたい方、楽しみたい方にふさわしい入門講座の様子をお伝えしてみましょう。


フランス各地を旅するように学ぶチーズ&ワインの入門講座。
美しい山々と緑豊かな高原が広がるジュラ・サヴォワ地方のチーズを学ぶ。
 
ジュラ・サヴォワ地方のワイン。講座では普段は飲む機会が少ない、個性豊かな地方のワインにも出合うことができる。一番右端が、ジュラ地方特有の酵母で熟成されたシャトー・シャロン。
豊かな自然に恵まれるフランス各地には、風味高く個性的なチーズが数多く造られています。入門講座全6回では、アルザス、ロワール、ジュラ・サヴォワ、南仏、ブルゴーニュ、ボルドー、イルド・フランス、ノルマンディなど、チーズ&ワインの主要産地を取りあげて学んでいきます。毎回5、6種のチーズと4種のワインをテイスティング。さらにチーズとワインの勉強を通して、フランス文化や風土にも触れることができる楽しい講座です。
 今回学んだのはジュラ・サヴォワ地方。緑豊かな山岳地帯で造る「山のチーズ」の名産地。また、クレピーやセイセルなど個性豊かなワイン産地でもあります。なかでもワインの表面にこの地方特有の産膜酵母を生じさせて造る、珍しいヴァン・ジョーヌワイン「シャトー・シャロン」が有名です。今回はこのワインもテイスティングでき、シェリーのような芳香が印象的でした。
当日学んだチーズとワインは・・・

【チーズ】
Beaufort ボーフォール

Tom de Savoie トム・ド・サヴォワ

Comte コンテ 16ヶ月熟成

Morbier モルビエ

Reblochon de Savoie ルブロッション・ド・サヴォア

Blue de Gex ブルー・ド・ジェクス

【ワイン】
Seyssel 2005セイセル
生産者 Maison Molex

Chateau Chalon 1999 シャトー・シャロン
生産者Domaine Jean Bourdy

Arbois Terre Rouge 2002 アルボア・テル・ルージ
生産者Domaine de la Pinte

Cotes du Jura Rouge 2002 コート・ド・ジュラ・ルージュ
生産者Domaine Jean Bourd
山岳地帯に暮らす人々の、英知が結集した「山のチーズ」。
 
ジュラ・サヴォワ地方のチーズ6種。時計回りでトム・ド・サヴォワ、コンテ、モルビエ、ルブロッション・ド・サヴォワ、ブルー・ド・ジェクス、ボーフォール。圧搾タイプで素朴で旨みの多いチーズが多い。講義では色や外観、固さなどもじっくり観察しながら、各地方のチーズの特徴をとらえていきます。
講師の佐久間啓子先生は、まずジュラ・サヴォワ地方の風土と各チーズの特徴を詳しく講義してくださいました。
 「ジュラはスイスとの国境に近いジュラ山脈のふもとに位置する地方。サヴォワはアルプスを間近に望み、冬季オリンピックが開催されたアルベールビルや、16世紀にサヴォワ公国の首都として栄えたアヌシーの街が点在する地方。どちらも山岳地帯で、厳しく長い冬が、高地にある多くの村々を孤立状態にさせましたが、それゆえに熟成期間が長く保存性の高い大型チーズが伝統的に造られてきました」と説明されます。
 今日味わうコンテ、トム・ド・サヴォワ、ボーフォールもこうした山のチーズの代表格。先生は、各チーズの逸話についても興味深く語ってくださいました。
 たとえばボーフォールは、標高1200m~1500mの山岳地帯に放牧され、夏にハーブや牧草をたっぷり食べた牛のミルクから造るチーズ。夏の香り高いミルクから生まれるチーズの美味しさは格別で、美食家ブリヤ・サヴァランは「チーズのプリンス」と賞賛したそうです。当日テイスティングしたボーフォールもほっくりと栗のようなコクがあり、しみじみと染みわたるような美味しさ。まさに気品と風格を感じる奥深い味わいでした。
 また、香ばしく風味豊かなコンテは、一個が最低でも35kgもある大型チーズ。なんと500リットルものミルクを必要とするそうです。大きなチーズは長い冬の貴重なたんぱく源として造られ、昔は農家の人々がミルクを持ち寄って共同でチーズを造っていたそうです。厳しい自然環境だからこそ支えあって生きていく、そんな山の生活を象徴しているかのようです。この生産システムは今でも続いていて、コンテは共同組合の工場で作られているそうです。
 さらにモルビエは、断面の中央に黒い線をもつ珍しいチーズ。この線は昔、前日のカードを一晩保存するときに、虫が着かないようにカードの上に木炭の灰を振りかけておき、そのうえに、翌日搾乳してできたカードを重ねて造ったことでできた線。昔の人々の知恵が、今でもチーズに残されていることを感慨深く感じるのでした。
チーズとワインをじっくりマッチングすると、新たな発見が。
 
毎回6種のチーズと4種のワインをテイスティング。チーズはワインがあってこそ美味しさが生きるもの。毎回行われるチーズとワインのマッチングも楽しい。
受講生の皆さんは、こうした楽しい講義を聞いた後、6種のチーズをテイスティング。その際、味わいや外観の特徴をつぶさにテイスティングシートに書き込んでいきます。その後、ワインの詳しい説明も行なわれ、いよいよチーズとワインをマッチングしてゆくこととなりました。受講生の方々はどのワインとチーズが特に相性が良いか、素直な感想を書き込んでいきます。
 私は始め、どうやって両方の相性を探っていけばよいかわからず、とまどってしまいました。すると先生から「まず一通りワインをじっくり味わい、それぞれの個性をつかんでみてください。その後、1つのチーズに4種類のワインを順番に合わせながら相性を探っていくと、よく感じ取ることができますよ」とのアドバイスを受けました。
 その通りにしてみると、なるほど、チーズとワインにもお互いの美味しさを引き立てあう相性があることを強く感じます。たとえばシャトー・シャロンはシェリーのような個性的な香気を持ち、好き嫌いが分かれるワインだと思いましたが、旨みをタップリ備えたコンテと合わせると、味わい深い美味しさが引き出されてきます。「その土地のチーズにはその土地のワイン」と言いますが、人々の生活の積み重ねから生まれてきた相性の素晴らしさを実感でき、とても貴重な体験となりました。
家庭でのチーズの楽しみ方や、カッティング方法も学べる講座
 
講義では各チーズとワインが持つ歴史、製法、ミルクや葡萄の種類、味わいの特徴などが詳しく伝えられ、同時に資料が配られます。
さてこの講座ではワインやチーズの試食のほかにも、楽しい事柄がたくさんありました。たとえば佐久間先生は、チーズの家庭での楽しみ方も具体的に伝えてくださいました。 「ルブロッション・ド・サヴォワは冬にはトロリと溶かして、茹でたじゃがいもの上に乗せても美味しいですよ。またコンテは粒マスタードを少し付けたり、サンドイッチに挟んでもいいですね。トム・ド・サヴォワはシンプルで素朴な味わいなので、紅茶や日本茶ともよく合います。チーズはハチミツをさっとかけていただくと、また違った味わいが楽しめます」。
 さらに、先生がチーズをカッティングする技術はとても素晴らしく、鮮やかに均等に切り分けていく様子を間近に見ることもできます。これは自分がホームパーティでチーズをサーヴィスするときの参考にもなると感じ、思わずその美しい切り分け方をメモしてカメラにも収めてしまいました。
趣味を楽しみたい人、将来チーズのプロを目指したい人など目的は様々。
「チーズの基礎をしっかり楽しく学べる講座です」
 最後に、チーズ入門講座にはどのような方々が通ってきているのか、また講座の感想なども受講生にうかがってみました。
「ワインの資格を持ち実際に仕事もしていますが、チーズもしっかり学んでみたいと思い通い始めました」「チーズとワインの勉強は初めてですが、どちらも大好きなので受講しています。毎回出されるチーズの熟成状態がとても良く、どれも本当に美味しいです。ロワール地方を学んだ回は、フレッシュなミュスカデやブーブレの白ワインに合わせて、数種類のヤギのチーズを楽しみました。フランスチーズとワインの基礎をしっかり学びながら、楽しく美味しく勉強できることがうれしいです」「フランス各地の風土や文化、先生が実際に訪れた現地の作業風景や人々の暮らしぶりなど、チーズがいっそう味わい深くなるお話が数多くうかがえます。時には先生が、旅先で購入したチーズをお土産に持ってきてくださるなど、とても家庭的で温かい講座です」など、多くの感想が飛び出しました。

 なお、私自身の一意見としましては、アカデミー・デュ・ヴァン東京校では、チーズプロフェッショナル協会認定(c.p.a)の呼称資格試験に向けての「チーズ受験対策講座」も開設しています。チーズ入門講座は、将来この受験対策講座を受講し資格試験を受けてみたい、と思う方々の基礎固めにもふさわしい講座ではないかとも感じました。

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