アカデミー・デュ・ヴァン東京校 講座体験コラム
名店で味わう「美味しいフランスワインと郷土料理」
特別講座「Vive la France!ヴィヴ・ラ・フランス(フランス万歳!)」郷土料理編 logo Column

「Vive la France!郷土料理編(西フランス・東フランスの旅)」の講座では、フレンチレストランの名店「ラ・ヴェイエ」にて旬の食材を盛り込んだ郷土料理のフルコースを味わいながら、その地方の秀逸なワインとのマリアージュを楽しみます。思わず「フランス万歳!」と叫びたくなるような、美味しさがいっぱいに詰まった講座の様子をお伝えしてみましょう。


フランス各地に広がる美食とワインを楽しむ講座。
今回のテーマはフォワグラとカオールの名産地「スュド・ウェスト地方」。
 
講師の矢野 恒先生と秀逸なスュド・ウェスト地方のワイン
担当講師の矢野 恒先生は、まずこの講座について次のようにお話くださいました。
 「豊かな自然に恵まれたフランスでは、本当に美味しいものは地方にあります。フランスの各地方には独特の食文化や風土があり、バラエティ豊かな郷土料理と土着のワインが存在します。この講座は、ブルゴーニュ、ロワール、ローヌ、プロヴァンス、ボルドー、シャンパーニュなど、フランス各地方に息づく伝統の郷土料理を、その地方のワインと見事にマリアージュさせながらフランスの真の美味しさを堪能する講座。ワイン初心者から資格取得者に至るまで、ワイン経験の長短を問わず幅広い方々に楽しんでいただける内容となっています」

 講座の教室となるのは、フレンチレストラン「ラ・ヴェイエ」。ここはカウンターのみの小さなレストランですが、プロの料理人や著名なワインジャーナリストが足繁く通う、知る人ぞ知る名店です。授業当日は閉店まで貸し切りとなり、オーナーシェフの風見知希シェフがアカデミー・デュ・ヴァンの受講生のためだけに腕をふるってくださいます。
 今回私が体験したテーマはスュド・ウェスト地方。ボルドーの南側からスペイン国境にかけて広がる地域で、カオール(赤ワイン)などの銘譲地。さらにフォワグラの名産地でもあり、山鳩、野鴨、鹿など野趣溢れるジビエの里としても知られるところです。
当日いただいた料理とワインは…

 
フルコースディナーの前には、矢野先生から各地方の食文化やワインの歴史、テイスティングワインの詳しい説明が伝えられます。
 
講座では風見シェフが目の前で調理するプロセスを見ることができます。食材や調理法についても気さくに優しく伝えてくださり、オリジナルレシピ資料が配られました。
【料理】
オードブル:フォワグラのテリーヌ Terrine de Foie Gras
メインディッシュ:山鳩のロースト Pigeon Ramier Roti
チーズ:オソー・イラティ&ブルー・ドゥ・バスク Ossau Iraty & Bleu de Basque
デザート:モンブラン、チーズケーキ、ガトー・オ・ショコラ ほか
【ワインと生産者】
1.Jurancon Sec Chant des Vignes ジュランソンセック・シャン・デ・ヴィーニュ
   Domaine Cauhapeドメーヌ・コアペ
2.Cahors Prestige 2002 カオール・プレスティージュ
 Haut-Monplaisir オー・モンプレズィール
3.Cahors 2002 カオール
   Chateau Lagrezette シャトー・ラグルゼット
4.Cahors Le Combal 2002 カオール・ル・コンバル
   Cosse Maisonneuve コス・メゾヌーヴ
5.Cahor Le Petit Sid Le Petit Sid 2002 カオール・ル・プティ・スィド
   Domaine Matthieu Cosse ドメーヌ・マテュー・コス
6.Cahors 2002
   Chateau de Caix シャトー・ドゥ・ケ
7.Cahors Mythologia 2002 カオール・ミトロジア
   Primo Palatum プリモ・パラテューム

 スュド・ウェスト地方名産のフォワグラには、同郷の銘譲白ワイン・ジュランソン・セックを。さらに地味溢れる山鳩のローストには濃厚で果実味溢れる赤ワインのカオールを。このカオールに関しては、なんと同じヴィンテージで生産者の違う6種類ものワインを、水平テイスティングで飲み比べできることとなり、とても貴重な体験に心が躍ります。
 フルコースディナーの前には、矢野先生からテイスティングワインの詳しい説明が、さらに風見シェフからは、本日いただく郷土料理の詳しい説明があり、オリジナルレシピ資料をいただきました。
 ワインの説明では、矢野先生が作成した詳細で貴重な資料が配られ、スュド・ウェスト地方の歴史や食文化から始まり、先生自ら厳選された7種類のワインと造り手の特徴に至るまで、興味深いお話が楽しく語られました。
クリーミーで奥深い味わいのフォワグラのテリーヌには、ジュランソン・セックを。
 
思わず笑顔が溢れる美味しさのフォワグラのテリーヌ。果実の旨みをたっぷり備えたジュランソン・セックとは絶妙な相性。「毎回感動的な地方料理とワインがたっぷり。腹ペコで来ても、心もお腹も満ち足りて帰宅できます(笑)」と受講生。
さて、いよいよディナーの始まりです。オードブルにはフォワグラのテリーヌが。ワインは同じ地方のジュランソン・セックの白ワインを楽しみました。タップリとお皿に盛られたフォワグラのテリーヌは、非常にクリーミーで奥深い味わい。思わず笑顔がこぼれてしまうほどの美味しさです。生き生きとした酸と葡萄の旨みをしっかりと備えたジュランソン・セックとは絶妙の相性。豊かな果実味を感じるワインなので、フォワグラと一緒にリンゴのピュレをつけていただくと、双方の美味しさがますます引き立ちます。
 先生からは「フォワグラはカオールの赤ワインともよく合います。あまりにテリーヌが美味しいからといって全部平らげてしまわないで、ぜひ次のカオールとも合わせてみてくださいね」とのアドバイスもいただき食の楽しみがいっそう広がります。

 矢野先生のお話によると白ワイン・ジュランソンは、フランスのほぼ最南の葡萄栽培地域で、スペインとの国境ピレネー山脈に隣接する生産地。この生産地では、葡萄の収獲を遅らせ、果実が自然に乾燥して果汁が濃縮したものを摘み取る甘口の「ジュランソン」が有名ですが、今日いただいたワインは果実を乾燥させずに良く熟したものを収穫した「セック」の辛口タイプだそうです。また「1553年、後にフランス王アンリ4世となる赤ん坊が洗礼を受けた際、口を湿らせたワイン。それ以来、王家の洗礼に用いられてきました」という逸話も伝えられ、ワインの歴史や文化を知ることでいっそう味わいが深くなります。
 エスプリ溢れる様々なお話を聞きながら、料理とワインを楽しむ幸せ。受講生同士の会話も弾み、和やかな空気がレストランに流れます。

メインディッシュは野趣溢れる山鳩のロースト。
濃厚で果実味たっぷりのカオールとは絶妙なマリアージュ。
 
メインディッシュの山鳩のローストには6種類のカオールを合わせて。山鳩のローストに乗っているのは、新鮮な鳩の内臓をミンチしてデュクセルと一緒に炒め、ベルモットを加えて煮たものをパントーストに塗ったもの。これを必ず添えるのが正しい山鳩料理の姿。
続くメインディシュは山鳩のローストです。山鳩は、シェフがこの日のため特別にフランスから空輸した、まさに天然物。シェフがローストする前にその素材を見せてくださいました。真っ赤な肉質で野性味を秘めた山鳩の登場に、思わず受講生から歓声がもれます。
 この講座の素晴らしさのひとつは、オープンキッチンのカウンター越しから、シェフが料理するプロセスを拝見できること。食材や調理法などに関しても気軽に質問でき、優しく丁寧に説明される風見シェフを囲んで、和やかな雰囲気が漂います。
 山鳩は焼き始める1時間前に内臓を取り出し、レバー、砂肝、心臓を合わせてミンチにするそうです。これをデュクセル(マッシュルームとエシャレットを刻んでバターで炒めたもの)と一緒に炒めてトーストに塗ったものを、必ず添えることが正式な山鳩料理の姿であると、風見シェフは説明します。またローストの際は、皮目を下にして肉を返さずに、皮から溢れる脂を丁寧にかけながら焼き上げる山鳩料理特有の焼き方も拝見でき、皆さん真剣にシェフの手元を見つめています。
 香ばしく焼きあがった鳩には、鳩の内骨と香味野菜を6時間煮込んだ特製ソースが添えられ、まさに野趣溢れる山鳩料理の醍醐味が凝縮された逸品。噛みしめるほどに香り高い肉汁が溢れ出て、カラッと焼き上げられた皮目も香ばしく、骨ごと指でつまんでしゃぶりついてしまうほどの美味しさです。そして、果実味溢れ濃醇なカオールが山鳩料理の味わいを素晴らしく引き立てます。
長い歴史と生産者の苦労の果てに生まれた豊かで気品高いカオール。
秀逸な生産者たち6 種類のワインを飲み比べ。
 矢野先生のお話によると、中世の時代から有名であったカオールは、オーセロワの葡萄品種から造られ、インクのように濃い色調と肉厚で深い味わいを持つことから「黒いワイン」とも呼ばれてきたそうです。その評判は遠くアメリカまで広がっていましたが、後年フィロキセラの被害に遭い、オーセロワの植え替えを余儀なくされ、代わってメルローなどの作付けが非常に増えたことで、一時期飲み易いだけのワインに変わってしまったそうです。ところが1956年の遅霜の被害をきっかけに、この土地の栽培者たちは、従来の力強い味わいを取り戻そうと再びオーセロワ中心に植え替えを行い畑の改革を行ってきました。その苦労が実り、現在ではボルドーの赤ワインにも勝る、果実味の富んだ濃厚なワインが造られているそうです。
 特に近年では、この土地にほれ込んだ熱意溢れる造り手が集結する注目のワイン産地であるとのこと。そのためこの日は、個性溢れる秀逸な造り手たちのワインを6種類水平テイスティングで楽しむことができました。同じカオールであっても、生産者の哲学、栽培法、醸造法、樽の使い方で個性や味わいも異なり、いただいた資料を見ながら皆さん、熱心にテイスティングコメントを書き込んでいきます。「毎回ワインがどれも個性豊かで素晴らしいので、しっかりと心に留めておきたくて、思わずコメントを書く筆も走ってしまいます」との受講生の声も聞かれました。
「フランスの風を感じる講座です!」
最後に特別講座の様子を語ってくださった受講生の皆さん。
 
美味しい料理とワインを囲んで会話も笑顔もはずむ受講生の皆さん。
 
豊富な知識と経験を持つ矢野先生は、受講生の質問や疑問に温かく気さくに答えてくださいました。
食後には毎回その地方名産のチーズもいただくことができ、フランスチーズの知識も身につけることができます。さらにデザートまたは食後酒はお店にあるものから、自由にチョイス。またこの食後の時間帯は、受講生の皆さんが今日のワインの印象を自由に語り合う時間でもあります。教室でのワインコメントとは異なり、素直な感想を自由に表現する様子が印象的。さらに先生からはワインの総評が歯切れよく語られ、同時にスュド・ウェスト地方を旅したときの様子、お薦めのレストランやホテル情報も伝えられ、有意義で楽しいひと時となりました。
 最後に受講生の皆さんから、この講座に関する感想を数多くうかがうことができました。「風見シェフの丁寧で繊細で、それでいて情熱溢れる正統派フランス料理の数々。その素晴らしさに毎回毎回感動しています。さらに矢野先生が、そのお料理に見事にマッチしたワインを厳選してくださり、まさに、フランス万歳!と叫びたくなる、フランスの美味しさがいっぱいに詰まった講座です」「渡仏歴が長く経験豊かな矢野先生から、毎回フランス各地方の歴史や住民気質、ワインや食文化、さらに現地の最新情報を数多くいただけることがとてもうれしい」「毎回BGMには先生が厳選されたプーランクやミヨーなどのエスプリ溢れるフランス近代音楽が流れ、美味しいワインと料理を囲んで受講生同士の会話も楽しく、笑顔が絶えません。先生、シェフ、受講生が一体となって、フランスの素晴らしさを、フランスの風を感じることができる講座です」。


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講師と行く~ワインの旅~