ワイン総合コース(本科講座)Step-3は、Step-2修了者、JSA資格保持者、または同等の知識・試飲能力を持つ人を対象とした中上級コースです。 扱うテーマは「ぶどう品種」と「優良生産者」。合計16の高貴・古典ぶどう品種を切り口に、世界の一流生産者とそのワインについて深く学んでゆきます。このうえなく素晴らしいワインとの出会い、そして、Step-2で学んだ知識を活かしながら、より専門的な知識を身につけ、ワインの本質を学ぶことができる体験講座の様子をお伝えしましょう。
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| 講師の山崎和夫先生。先生の講義は非常に明確でわかりやすく、専門的な事柄も丁寧にご説明くださり、ぐんぐん頭に入ってゆきます。 |
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全15回の講義が行われるStep-3では、今最も注目される偉大な生産者のワインを毎回5、6種類ブラインドで試飲します。「ぶどう品種」と「優良生産者」をテーマに、Step-2で培った能力を伸ばし、より深く世界のワインを学んでいけるのが特徴です。たとえば、ぶどう品種について学ぶ内容は、起源や歴史、クローン、適合する土壌と気候、成育サイクル、収量と樹勢、醸造方法、主要生産地、ワインのスタイルなど多岐に渡り、様々な角度から学ぶことで、各品種が持つ個性と本質を探ってゆきます。また毎回「ピノ・ノワール 官能に訴えかける究極の色気」「カベルネ・ソーヴィニヨン ビロードに包まれた鉄の拳」など、興味深い品種テーマが設けられていることも魅力です。さらに授業では、非常に綿密にまとめられたオリジナルのカラーテキストを使いながら、専門的な知識を養っていきます。
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| 品種特徴をつかむ講義では、ボードにポイントを書き並べた後、先生がその事柄について具体的に説明してくださいます。生徒の皆さんも真剣な表情で、熱心に聞き入っています。 |
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今回体験したのは第9回目。テーマは「サンジョヴェーゼ&ネッビオーロ イタリアの二代巨頭」です。まず、講師の山崎和夫先生は、「二つの品種は、バローロやバルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチアーノやキャンティ、といった有名ワインを生むイタリアを代表する品種ですが、興味深いことに対照的な個性を持ちます。そして同じ品種であっても、造り手が古典派とモダン派に分かれ、それぞれが異なる醸造方法で個性豊かなワインを生み出しています」と伝えます。先生は二つの品種の、栽培法、醸造法、適する土壌気候、クローン、収量と樹勢、主要生産地域などを比較しながら、非常に丹念にわかりやすくその特徴を講義してくださいました。二つを比較して学ぶことによって、今まで漠然と捉えていた各ぶどうの個性が、明確に浮かび上がってゆきます。
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たとえばネッビオーロは、「イタリア北部ピエモンテ州で栽培される高貴品種ですが、栽培面積は意外に少なく、イタリア全土で5000ha、0.6%に過ぎません。ピノ・ノワールのようにやや気難しい性格をもち、土壌や気候を選ぶ葡萄品種で、国外ではほとんど栽培されていません。また発芽が早い割に収穫が遅く、長い生育サイクルを必要とするので、ぶどう栽培の北限の地で、ギリギリの気象条件の下、時間をかけてブドウを熟させてゆきます。サンジョヴェーゼとは異なり、多くはブレンドせずにワインには単体で用いられます。果皮に色素があまり含まれないため、ワインの色は薄いのですが、ぶどう一粒に占める種の割合が多いのでタンニンは豊か。重厚で男性的なワインとなります。また非常にハイレベルな酸を持つため、世界一長寿なワインと評価されています」などの詳しい説明が伝えられました。
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一方サンジョヴェーゼは「イタリアで最も広い栽培面積7万haを占め、20州のうち16州で栽培されている“国民的ぶどう”。イタリア以外では、オーストラリアやカルフォルニアでも栽培され近年人気がでています。その適地はネッビオーロとは少し異なり、やや温暖な気候を好み、イタリア中部のトスカーナ州のほかに、ウンブリアやエミリオ・ロマーニャ州でも多く栽培されます。樹勢が強く多産型なので、高品質ワインを生み出すためには、痩せた土地で樹勢の弱いクローンを選び、収量を制限しながら栽培します。最も高品質なクローンは、サンジョヴェーゼ・グロッソで、DOC、DOCGによってはこのクローンを使用しなくてはいけない決まりがあります。ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンのようにブレンドして用いられ、伝統派の造り手はカナイオーロなどの土着品種を、モダン派の造り手はフランス系品種をブレンドすることで、荒々しいタンニンを和らげます」など、大変興味深い事柄を学ぶことができました。
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また授業では、ネッビオーロとサンジョヴェーゼワインのトップクラスの生産者についても詳しく学びました。各品種の造り手には伝統派とモダン派が存在し、その醸造法やスタイルの違いについて具体的に伝えられました。 たとえば、ネッビオーロの伝統派を代表する造り手はジャコモ・コンテルノやブルーノ・ジャコーザなど。伝統派の醸造の特徴は、30~60日に及ぶ長期のマセレーションと、スラヴォニアン・オークの大樽を使った4~8年にもおよぶ長い樽熟成です。そのため、タンニンが豊かで、キノコ、なめし革、葉巻のような熟成香が主体のワインとなります。 一方で、モダン派を代表する造り手には、エリオ・アルターレなどがおり、醸造の特徴は伝統派とは対照的。5~15日間の短期の発酵・マセレーションの後、フレンチオークの小樽で18~24カ月の短期の熟成を行います。生産者によっては回転式発酵タンクを用いて、短期間で抽出を行う場合もあるそうです。熟成にフレンチオークの小樽を使うのは、大樽よりも短い期間で多量の酸素をワインに与えられるメリットがあるため。その結果ワインは、濃い色合いで、樽香をもちながらも濃厚で若々しい果実味を備えたものとなります。さらに、モダン派は20年ぐらい前から急激に流行し、アメリカ市場からは非常に支持されましたが、フランスやイギリスの飲み手からは批判をあび、現在は、両派を折衷するような造り手も増えていること、など近年の傾向も含めた詳しい説明も伝えられました。 |
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| 毎回5、6種類の偉大な生産者のワインをブラインドでテイスティングした後、生徒がコメントを発表。非常に適格なコメントを述べていたのが特徴でした。 |
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| 授業では複雑味と奥行きを増した、気品溢れるヴィンテージワインに出会えます。驚くほど綿密にまとめられたカラーテキストは、授業の復習や予習にも役立ち、専門的な知識を養う貴重な教材です。 |
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| 「サンジョヴェーゼ&ネッビオーロ イタリアの二大巨頭」の品種テーマに合わせて厳選された、トップクラスの生産者のワイン5種。 |
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講座では、毎回偉大な生産者のワインを5、6種類ブラインドでテイスティングしてゆきます。生徒さんの中には「毎回、あっと驚くような素晴らしい生産者のワインに出合えます。自分一人ではなかなか手に入れることのできない、レアなワインもあり、毎回どんなワインがテイスティングできるのだろうと、とても楽しみに通ってきています」と語る方も。今回のテイスティングにおいても、非常に偉大な生産者の素晴らしいワインが出され、5種のワインを楽しみました。 ① Tignanello ティニャネロ2004 産地:トスカーナ 生産者:Antinoriアンティノリ 品種:サンジョヴェーゼ85% カベルネ・ソーヴィニヨン10% カベルネ・フラン5% 価格:12600円 ①と②は、イタリアを代表する名門のひとつ、アンティノリのワインです。興味深いことに、同じ造り手のワインですが、モダンと伝統の異なるスタイルの飲み比べとなりました。アンティノリはスーパーIGTの生みの親ですが、このティニャネッロも1971年に誕生した革新的なワイン。フランス系品種をブレンドしてフレンチオークの新樽で熟成、濃厚で果実味豊か、現代的で華やかなスタイルのワインでした。
② Pian della Vigne ピアン・デル・ヴィーニュ1998 産地:トスカーナ D.O.C.G ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 生産者:Antinori アンティノリ 品種:サンジョヴェーゼ100% 価格:11000円 このワインはサンジョヴェーゼ100%、大樽で3年熟成させた伝統的な造りのワイン。7年以上もの瓶熟成を経て、ドライトマト、なめし革、葉巻などの熟成香が心地よく、ワインは柔らかく滋味深い味わいになっています。講義で、伝統的な醸造法と革新的な醸造法の違いを学んだ後でもあり、2つのワインの違いが明確に感じられました。
③ 5Stelle Valtellina Sfursat チンクエ・ステッレ・ヴァルテッリーナ・スフルサート2005 産地: ロンバルディア 生産者:Nino Negri ニーノ・ネグリ 品種:キャヴェンナスカ (=ネッビオーロ)価格9933円 このワインはロンバルディア州で、半分の重さになるまで干したぶどうから造られたワイン。ちょうどアマローネのネッビオーロ版といえます。ニーノ・ネグリは干しぶどうタイプのバルテリーナ・スフルサートのトップクラスの生産者。ドライフルーツやドライフラワーのような香りをもち、酸とタンニンが豊かな男性的な味わい。テロワールを表現した豊かな個性が感じられました。
④ Bric dël fiasco ブリック・デル・フィアスク 1999 生産者:Paolo Scavino パオロ・スカヴィーノ 産地:ピエモンテ D.O.C.Gバローロ 品種:ネッビオーロ100% 価格:20000円 先生は「④と⑤のワインは特に素晴らしいワインで、このワインを飲むためにここにいらした価値はあったと思います。④はバローロの急進的なモダン派の造り手、⑤はまさにイタリアワインの王様ともいえる伝統的な造り手のワインです」と二つを比べます。このパオロ・スカヴィーノのワインは急進的な醸造法で造られており、「回転式発酵タンクを使い10日間ほど発酵・マセラシオンを行い、フレンチオークの新樽の小樽で12カ月熟成。さらに樽を交換して、フレンチオークの中樽でもう12カ月熟成します。かなり樽香をつけていますが、長い熟成を経て奥行きと気品が生まれ、ボルドーの1級シャトーが熟成したときのような風格を備えた見事なワインです」と詳しく説明してくださいました。
⑤ Asili アジリ1998 生産者:Bruno Giacosa ブルーノ・ジャコーザ 産地:ピエモンテ D.O.C.Gバルバレスコ 品種:ネッビオーロ100% 価格:25000円 生産者のブルーノ・ジャコーザは「ネッビオーロの巨匠」「教授」といった異名を持つ地方の名士で、伝統的なバローロやバルバレスコの偉大な造り手です。「これぞイタリアワインの王様といえる風格と気品に溢れています。カシスのジャム、ドライフラワー、葉巻、トリュフのような甘いキノコの香り、熟成を経たことで味わいに奥行きと複雑さが増し、④のワインとは対照的でブルゴーニュの古酒のようなニュアンスを感じます」と先生は語ります。 テイスティングの後は、生徒の皆さんが、先生に様々な質問を投げかけ、その質問の一つ一つに先生が丁寧に説明してゆきます。和やかな雰囲気の中で、偉大なワインを最後まで名残り惜しそうに堪能する様子が印象的でした。
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講座終了後、生徒さんのお一人から、こんなご意見を伺いました。「JSAの資格を取得してから、しばらく年月が経ってしまいましたが、また勉強をしてみたいとこの講座を選びました。ぶどう品種を切り口に、世界のトップクラスの生産者の栽培や醸造法、生産地の土壌や気候について深く学ぶことで、偉大なワインとはどのようにして生まれてくるのか、またその素晴らしさの本質はどこにあるのか、などを具体的に理解することが出来ます。また、ワインの世界は、新しい醸造技術や生産地、若手醸造家の出現など、日進月歩の世界。最先端の情報を得ることができる点でも非常に有意義な講座だと思います」
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