アカデミー・デュ・ヴァン東京校 講座体験コラム世界の銘譲地を極める ・ワイン総合コース(本科講座) STEP-2
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ワインは基礎知識が身につくと、より美味しく感じられ、さらに専門的なことを学んでみたいという知識欲が湧きあがります。中級コースSTEP-2は、STEP-1の修了者、または同等知識や試飲能力を持つ人を対象とする講座。STEP-1で得た基礎知識を活かしながら、世界の名醸地のワインをより専門的に学び、テイスティング能力を磨いていきます。では、実際にどのような講義が行われているのでしょうか。


憧れの銘譲地ボルドーを深く学ぶ
 
講師の林麻由美先生。先生は「素晴らしいワインはどのように生まれてくるのか、各ワイン産地の歴史、気候、土壌、栽培・醸造法などを深く学ぶことでワインの本質を理解することができます。ワインの広い知識を得ることは、テイスティング能力を高めることにもつながります」と語ります。
STEP-2の大きなテーマは「テロワール」。ワインの味わいには土地の個性が映し出されるというコンセプトに基づき、生産地にテーマを絞って世界の銘醸ワインを学んでいきます。全20回の講義で学習するワイン産地は、ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ、ロワール、アルザス、コート・デュ・ローヌといったフランスの銘醸地に加え、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、ニュージランド、チリ、アルゼンチン。また、近年注目を集める、ドイツの辛口白ワイン、日本、南アフリカ、ポルトガルのワインについても学びます。さらに中盤には世界のワイン動向をつかみ、最新トピックスを得ることができる講義も設けられています。
毎回講義では、オリジナルのカラーテキストを用いながら、各生産地の歴史、気候、土壌、栽培と醸造法、ぶどう品種、ワイン法などについて詳しく学び、より専門的な知識を身につけていきます。さらに、全回を通して約120種類のワインを、系統的にブラインドで比較試飲し、テイスティング能力を高めます。また、高級銘柄やヴィンテージワイン、希少性の高いワインを試飲できる機会が増えることも、STEP-2の特徴です。
今回私が体験したのは、第14回目の「アルザス(フランスとドイツのはざまで)」の講義。ドイツとフランス国境に位置するアルザス地方は、世界遺産にも登録されるストラスブールやコルマールといった中世の面影を残す美しい街が点在し、豊かなワイン畑が広がる銘醸地です。両国のワイン文化を享受した、個性豊かなワインについて学びました。

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  アルザスワインの講義風景
 
STEP2の講義では、STEP1の基礎知識を生かしながら、より専門的に世界のワイン産地について学んでゆきます。アルザスの歴史、AOCやワイン法、ぶどう品種の個性についても詳しく講義が行われました。
前半1時間の授業では、講師の林麻由美先生が、アルザス地方の歴史、気候、ぶどう品種、栽培と醸造法、AOC、そして近年の動向について、詳細に講義をしてくださいました。教室のスクリーンには、学習のポイントが掲げられ、それについて専門的な講義が行われます。まず先生からは、アルザスが歩んできた特異な歴史が語られました。
「アルザスはもともと、現在のドイツに当たる神聖ローマ帝国の領土でしたが、その後、1648年に30年戦争の終結によってフランス領となります。しかし220年後、普仏戦争により再びドイツの支配下に。そして、第1次世界大戦のフランスの勝利により、アルザスは現在のフランスに戻ります。このように、ドイツとフランスの国境に位置するアルザス地方は、近代以降、ピンポン玉のように二つの国の間を行き来した歴史があることから、言語、食文化、建築物、宗教、さらにワイン生産の場においてもドイツの影響が色濃く残ります」という興味深いお話が伝えられました。
 では、ドイツの影響を色濃く受けたアルザスワインの特徴とは具体的に何なのだろう? そんな疑問が頭をよぎった時、先生はそれに答えるかのように説明を続けてくださいました。「アルザスでは他の地方とは異なり、ドイツワインと同じように背の高いフルート・タイプの瓶の使用が法律で義務づけられています。また、ぶどう品種名を大きくラベルに表示すること、ワインのスタイルや醸造法などの要素もドイツと共通しています。また、ワインに使うぶどう品種そのものにもドイツで栽培されているものが多く、リースリング、シルヴァーネル、ゲヴュルツトラミネールなどが使用されます」。
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 試飲ワインとカラーテキスト
 
授業では非常に綿密にまとめられた、オリジナルカラーテキストをもとに講義が行われ、毎回5、6種類のワインを比較試飲します。

 続いて先生は、アルザス地方固有の気候、土壌、醸造法、についても詳しく講義してくださいました。その講義を聞いていると、アルザスワインはドイツの影響を強く受けながらも、この地方ならではの独特なテロワールによって、個性豊かな風味を備えていることがわかります。たとえば、アルザス地方は北緯47.5度から49度の範囲に位置し、寒冷な気候のため、白ワインが全体の9割を占め、その味わいはミネラルが豊かでフレッシュで高い酸が特徴であること。また、ヴォージュ山脈が西から流れてくる雲を塞ぎ止めるため、年間降雨量は500ミリ程度しかなく、雨が少なく日照量が多い気候は、アルコール濃度が高く凝縮感のあるワインを造り上げること。さらに、醸造においては単一品種で造られ、天然酵母を使用するワイナリーが多く、アルザスワイン特有の豊かな酸とフレッシュな果実風味を生かすために、発酵・熟成にはステンレスタンクや長年使用された大樽を使用。発酵は低めの温度で行い、さらにマロラクティック発酵は回避されること、などが伝えられました。
Step2では、時に専門的なワイン用語や栽培・醸造法などについて深く踏み込んだ講義が行われますが、林先生はその都度、わかりやすく丁寧にご説明くださいます。また、ご自分の実体験に基づいたお話を交えたり、フランスの他の産地と比較したりしながら、興味深く講義をしてくださいます。そのため、アルザスワインの専門的な事柄についても、明確に楽しく学ぶことができました。

試飲ワインはボルドー産超高級ワイン

 Step-2では毎回、各ワイン産地の原産地呼称法やぶどう品種の特徴についても、Step-1よりも詳しく学んでゆきます。今回もアルザス地方のAOCやワイン法、代表品種についての講義が行われました。こうした専門的な講義は、ワインラベルから的確にワイン情報を読み取る力にもなり、さらに今後、JSAの資格試験を受験する場合においても必須な知識となります。
アルザスには、ヴァン・ダルザス、アルザス・グランクリュ、クレマン・ダルザス、コート・ド・トゥールなどのAOCが存在し、先生はその一つ一つを説明します。「中でもアルザス・グランクリュは、特に優れたテロワールを持つと公的に認定された畑で造られた、上級のアルザスワインのAOC。認定された畑はリューディ(小地区の意味)と呼ばれ、現在51のリューディが認定されています。原則としてアルザスの高貴4品種であるリースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカのいずれかを単独で用いなくてはいけません。機械収穫は認められず、収量制限もAOCヴァン・ダルザスより厳しくなっています」と先生は語ります。またこの地方特有の、遅摘みブドウから造られた「ヴァンダンジョ・タルディヴ」、さらに高い果汁糖度から造った甘口ワインの「セレクション・ド・グラン・ノーブル」のワインの紹介も行われ、アルザスワインの多様性と豊かな個性を学ぶ講義となりました。

憧れの銘譲地ボルドーを深く学ぶ
 ブラインドテイスティング風景
 
テイスティングの授業では、まず銘柄を隠しブラインドで試飲し、コメントを専用のシートに書き込んでゆきます。
 香りについて話し合う受講生
 
林先生の試飲授業では、和やかにお互いの意見を語り合いながら、品種や銘柄、収穫年を探ってゆきます。
 アルザスワインのボトル
 
ドイツワインと同形のフルート・タイプの瓶に入った、ミネラル溢れ、溌剌とした酸を備えるアルザスワイン。高級キュヴェや高級銘柄、希少性の高いワインを試飲できる機会が増えるのもSTEP2の特徴です。

 講義の後半はテイスティングの授業です。前半で学んだ知識を元に、試飲能力を磨いていきます。まず、全員がブラインドで6種類のアルザスワインを試飲し、そのコメントを専用シートに書き込みます。その後、林先生の授業では、4人1組になり、互いにワインの香りや味わいのコメントを発表し合い、収穫年やぶどう品種を探ってゆきます。自分では発見できなかった香りを、他の人のコメントによって新たに見つけることができ、お互い喜び合ったり感心し合ったり。教室には和やかで明るい雰囲気が漂います。
最後は先生が、各ワインの外観、香り、味わいについて正確なコメントを伝え、銘柄や生産者、ぶどう品種を明かしてゆきます。今回試飲したワインは以下の通り。

①Muscat ミュスカ2008 生産者:Trimbach トリンバック
 A.O.C:Alsaceアルザス 品種:ミュスカ100% 価格:2,835円

②Gewurztraminer ゲヴュルツトラミネール2006 生産者:Trimbachトリンバック
A.O.C:Alsaceアルザス 品種:ゲヴュルツトラミネール100% 価格:3,045円

③Riseling リースリング2007 生産者:Trimbachトリンバック
A.O.C:Alsaceアルザス 品種:リースリング100% 価格:2,730円

④Riseling  Cuvèe Frèderic Emile リースリング キュヴェ・フレデリック・エミーユ2002
生産者:Trimbachトリンバック A.O.C:Alsaceアルザス 品種:リースリング100% 価格:7,350円

⑤Pinot Gris ピノ・グリ2006 生産者:Trimbachトリンバック
A.O.C:Alsaceアルザス 品種:ピノ・グリ100% 価格:2,940円

⑥Pinot Gris Vendanges Tardives ピノ・グリ ヴァンダンジュ・タルディヴ2000
生産者:Trimbachトリンバック A.O.C:Alsaceアルザス 品種:ピノ・グリ100% 価格:12,075円

①②③⑤はアルザスを代表する秀逸な生産者トリンバックの「品種違い」のワインです。先生は「ゲヴュルツトラミネールの品種には、ライチ、白いバラ、金木犀などの特有の香りが。リースリングには柑橘系の果物や白い菩提樹のような香りが。ピノ・グリには花梨や白コショウのようなスパイシーな香りとオイリーさが感じられます」と、各品種の香りを比較しながら説明してくださり、それによって品種個性の違いを明確に感じとることができました。また④のワインは、優良畑の高級キュヴェから造られたトップクラスのワインで、豊かなミネラルと溌剌とした酸、強い凝縮感を備え、華やかで風格あるワイン。さらに、⑥のヴァンダンジョ・タルディヴは黄金色に輝く色調を備え、オレンジピールやココナッツなどの甘い香り、約10年の熟成を経ても生き生きとした酸を保ち、気品ある甘さと凝縮感を備えた甘口ワイン。どちらも、アルザスの豊かなテロワールと長い歴史が培った、個性豊かな素晴らしいワインでした。

仕事や生活に活かせる喜びを感じる受講生
 Step-2の受講生の多くはStep-1の基礎知識を生かし、より専門的な知識を身につけたいと通う方ですが、その具体的な目的は、趣味でワインを極めたい方、将来JSAの資格試験を受験し専門家を目指す人、現在従事する仕事に活かしたい人、などさまざまです。「非常に充実した講座内容のため、ここでしっかり学ぶことは将来大きな財産になります。またいろんな目的の方が通ってくるので、情報を交換しあったりしながら、ワインを通じて友人ができることも大きな楽しみですね」というお言葉も聞かれました。
 なお、本科の講座はイギリスのワイン教育機関WESTの認定を受けており、STEP-1とSTEP-2修了者は、それぞれWEST初級資格試験、WEST中級資格試験(イギリスの国家資格)をアカデミー・デュ・ヴァンで受験することも可能となっています。

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